74歳が書いた江東地区の「グルメ・お散歩」冊子 コミケで15分完売、市版決定
2013.09.17 15:00
「萌え~」な同人誌に混じって...
「町あるき江東」は、江東健康友の会が発行する新聞「けんこう」で、「メタボ防止のための町歩き」をテーマに2008年4月から始まった連載の60回分を72ページにまとめた冊子。
筆者は74歳の男性で、冊子の挿絵や地図、文章、編集をすべて一人で担った。江東区健康友の会は、「新聞での連載は現在も続いています。筆者が一人で歩き、取材して回っているものです」と話す。
江東区内のさまざまな飲食店や名所・旧跡、美術館などを巡る、グルメと「お散歩」のガイドブックで、飲食店はチェーン店を除き、1軒1軒歩いて訪ねている。江東区民の目線に立ち、「江東区民のグルメ本」として1店に付き1ページ、筆者による評論のほか、率直な感想で構成。行ったその日のうちに書き上げる臨場感を大切にしながら、手描きのイラストを織り込み、ほのぼのとした親しみのある雰囲気に仕上げている。
そんな同書がこの夏の「コミケ」に300円で並んだところ、15分で完売して周囲を驚かせた。なにしろ、会場は世界最大級のコミケだ。アニメに登場するキャラクターなどに扮した多くのコスプレイヤーとその姿をカメラに収めようという「オタク」カメラマンが多数訪れ、異様な熱気に包まれていた。
置かれている同人誌も、そんな「萌え系」が中心。それに混じってグルメ・ガイドブックの「町あるき江東」が即売したのだから、さぞかし同書は異彩を放っていたに違いない。