【悲報】埼玉、「東京圏」じゃなかったことが発覚
埼玉県民の一部には、薩長閥が牛耳った明治政府に東京や横浜との仲を引き裂かれたという思いを抱いている。
「江戸時代まで東京都・埼玉県・川崎市・ほぼ横浜市は『武蔵国(むさしのくに)』という1つの行政区分だった」
「『武蔵○○』『武州××』という駅名は千葉県にはない。新東京を気取っているけれど、しょせんよそ者」
ところが、そんな埼玉県民のプライドを傷つけかねないニュースが。2014年3月28日に政府は全国6区域を「国家戦略特区」に指定し、このうち東京都・神奈川県・千葉県成田市の全部また一部を「東京圏」とした。
この選定をしたのは、安倍晋三首相が議長を務める「国家戦略特区諮問会議」。2020年の東京オリンピック開催をにらみ、東京圏は規制緩和を進めて国際ビジネスやイノベーションの拠点とする。
東京圏は今にはじまった言葉ではない。「首都圏整備法」はその区域を東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県の1都7県を「首都圏」としており、そのうち「既成市街地」(東京都は23区と武蔵野市、三鷹市、神奈川県の横浜市・川崎市、埼玉県の川口市)とその近郊が「東京圏」と呼ばれることが多い。
さらに東京圏は一律に定義されているわけではない。東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の1都3県だけという場合もあれば、茨城県を加えた1都4県のうち市街地・郊外を範囲とするものなど、各種調査や審議会等によって範囲は異なる。
政府が今回の特区から埼玉県を外したことに、埼玉県民の間からは怒りの声、他県民からは揶揄する声がそれぞれあがっている。
ねぇ国家戦略特区の東京圏に千葉が入ってて埼玉が入ってないって何事なの?おこだよ?
— ちぃ (@chiiiiii1234) 2014, 3月 29
安倍政権が東京圏を国家戦略特区に指定するという。東京圏とは、東京都と神奈川県と千葉県および成田市だという。埼玉県民は、怒っていいと思う
— 小川裕夫 (@ogawahiro) 2014, 3月 28
埼玉が東京圏に含まれてなくて泣いた。/国家戦略特区:首相ら東京圏、関西圏など4カ所選定の方針 - 毎日新聞 http://t.co/XiEDe9WrAl
— ともゆち (@Bambino_Satoto) 2014, 3月 27
安倍内閣の国家戦略特区、東京圏は東京、神奈川、千葉の一部。埼玉なんぞが入らなくて本当に良かった!
— Two Headed Dog (@hallowsvictim) 2014, 3月 28
世界有数の都市である東京の国際競争力を高めるため、特区では雇用や土地利用、医療といった分野で規制緩和が進められる。今回の施策に限ってという話なら、広く使われている「東京圏」の範囲が変更されるというわけではなさそうだ。
特定の分野に限られるものの、従来とは異なるルールが国家戦略特区内に適用されるわけで、埼玉県が含まれなくて不幸せなのか一概にはいえない。
ただ、大量の人を送り込む埼玉県と東京都に強い結びつきがあるのは確か。長州=山口県出身の首相に線引きされたのはどこか因縁めいているというのは考えすぎか。
ちなみに、千葉県成田市では何が行われるかというと、海外に通用する大学医学部の新設が検討されている。日本医師会の強力な反対で医学部新設は事実上凍結されているが、日本医療界のタブーが破られることになるのだろうか。