民家を覗く〝異常存在〟を「確保、収容しました」 不気味な異形の正体は――
その名は「人を喰ったような」
「これは『人を喰ったような』という作品です」
そう語る浅野暢晴さんは、彫刻家。「トリックスター」という名前の、三本足の黒い生き物の彫刻を、陶で作っている。今回〝確保、収容〟された「ヤバい奴」も、浅野暢晴さんが手がけた彫刻作品の一つだ。

「トリックスターの特徴は、黒い陶の体を持つ彫刻です。多くのトリックスターは、三本足ですが、この子は二本足の希少種。
彼らは、闇の中に住み、闇を喰べる異形の生き物です」(浅野暢晴さん)
そんな『人を喰ったような』は、都市伝説・現代ファンタジーがテーマのコミュニティサイト「SCP財団」の日本支部で、〝異常存在〟として扱われている。
SCP財団とは、自然法則に反した存在等を封じ抑え込むことを任務とする架空の秘密組織。世界中のメンバーが「これはやばい」「収容しなければならない」と思う奇妙な存在についての〝報告書〟を投稿し、共有して楽しむ創作プロジェクトだ。
そして、SCP財団において〝異常存在〟は「確保・収容・保護」するべきもの。そこで浅野さんはそれに則り、『人を喰ったような』を「確保、収容しました」と投稿したのだ。

さて、脱走した『人を喰ったような』はその後、再捕獲され、拘束され、車に乗せられてどこかに搬送される姿が報告されている。

一体、どこへ?