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「辺鄙な山奥で見つけた老夫婦が営む飯屋。金を持っていなかった私は、他の客がいなくなるまで待ってから...」(兵庫県・50代男性)

Jタウンネット読者

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2023.07.11 11:00
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「50円しかありません」

その日、東京で積んだ荷物を奈良の少し辺鄙な山奥まで届けました。荷物を降ろし終わる頃にはお腹が空いていて限界。少し走るとトラックを停められるスペースがあり、トイレもあったので、そこで休もうかと止まりました。

そこで目を引いたのは「めし」と書かれたのれん。ポケットには50円くらいしかなく、でも食いたい。店の前を行ったり来たりして、お客さんがいなくなるまで待ちました。そして恥を忍んで

「すみません、50円しかありません。
小さなオニギリでかまいません、作っていただけないでしょうか」

とお願いしたのです。

爺ちゃんと婆ちゃんが経営する店でした。「まあまあ、作りますよ」と優しく言ってもらえました(涙)。

そして、出てきたのはサバの煮付けでした。

サバの煮付けが運ばれてきて......(画像はイメージ)
サバの煮付けが運ばれてきて......(画像はイメージ)

「え!」と驚いていると、「残り物だけど食べなさい」と婆ちゃん。

そして今度は厨房の奥から爺ちゃんが「できたよ」と言って、目の前に中華そばを運んできました。 さらにポテトサラダにどんぶり一杯のご飯まで(涙)。「お金がありません」と伝えると

「冷めないうちに食べてちょうだいな」

見ず知らずの自分にここまでしてくれるなんて......。初めて「情け」を知りました。人の優しさを知りました。言葉もないまま、涙が止まりませんでした。

今まで負けてたまるかと堪えてきましたが、一気に溢れ出てしまったのです。

再び訪れると...
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