伝統的な技術で、現代ならではの作品を 気鋭のクリエイターが生み出した「ゲーム日本画」がカッコイイ
日本画にゲームの要素を取り入れた作品がツイッター上で話題になっている。
まずはその様子をご覧いただこう。

青い壁の迷路の中に配置された黄色いドットと4色のお化けのようなモンスター。そして大きく口を開けた丸。「パックマン」だ。
その前景には赤い雲のようなものが描かれていて、そして小鳥が敵キャラをくちばしでつついたり、足でつかんだり。
2023年5月21日にこの画像を投稿したのは、ツイッターユーザーで日本画家として活躍している大西高志(@onishi_takashi)さん。
日本画家です。私が昔、よくやってたゲームを日本画で描いてます。
とつぶやきながら、パックマンだけでなく、「グラディウス」「ギャラガ」「スーパーマリオブラザーズ」の日本画を紹介している。
なぜゲームを日本画で描こうと思ったのか。そして、いずれの絵にも登場する赤い鳥の正体は......?
Jタウンネット記者は24日、大西さんに話を聞いた。
伝統守りながら「今までになかった日本画」生み出す
そもそも日本画とは、水干絵の具や岩絵具といった日本画の画材を用いて描かれた作品。大西さんによると、花や鳥をモチーフとして使う花鳥画という作品が多いという。
大西さん自身も花鳥画をよく描く。赤い鳥は大西さんの作品によく出てくる存在で、今回の"ゲーム日本画"の中でもそれぞれの作品の主人公になっている。

「ゲームのチョイスは、私自身が昔よくやっていたゲームを題材にしております。最近のゲームも画像や内容の素晴らしいものはたくさんありますが、私がまだ小さかった頃、ファミコンが発売されたのが衝撃的で、私自身もハマっておりましたので、このゲームチョイスになりました」

大西さんにとって特に思い入れのあるゲームはマリオ。初めてプレイした時の感覚を覚えているという。
「ビーダッシュのやり方が分からず、普通に歩いてゲームをクリアしていました。ギャラガもよくやりました。自分を強くするため、あえて攻撃に入っていくというのも面白かったですね」

相容れない存在のように思える日本画とゲームが、大西さんの作品では渾然一体に。そのコンセプトは「伝統的な日本画の技法や画材を用いて現代でしか描けない近代的な日本画を描く」というものだ。
「日本画といえば、浮世絵や屏風、掛軸を想像する方がほとんどだと思いますが、私は、今まで日本画では、描かれなかった日本画を描こうと考えています。昔から培われた伝統的な文化を守りながら現代の作品へと昇華させる、全く新しい日本画というものを描いています」
次はどのような「新しい日本画」を届けてくれるのだろうか。
日本画家です。
— 大西 高志 (@onishi_takashi) May 21, 2023
私が昔、よくやってたゲームを日本画で描いてます。 pic.twitter.com/fCKeiCqXv9