「被災地での避難中、トイレを借りに入った民家。水も食料もない空腹の中、『家族のためのおにぎり』がとても美味しそうに見えて...」(福島県・40代女性)
2023.03.04 11:00
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Sさん(福島県・40代女性)
Sさんは2011年3月11日、福島県双葉郡で被災した。
親友と2人で自衛隊の指示に従って西へ避難をしている途中、お手洗いに行きたくなった。
運よく一軒の民家でトイレを貸してもらえることになった彼女は、その家のテーブルに置いてあった「おにぎり」に目を奪われたという。
<Sさんの体験談>
2011年3月11日東日本大震災の翌日の出来事です。私は当時、福島県双葉郡大熊町にある企業に勤務しておりました。
地震が発生し避難し、しばらくは一人で車の中にいました。雪も降ってきて恐怖と寂しさと戦っていたとき、親友から連絡があり、合流しました。
二人でどこに行けばいいのか、これからどうなるのかわからずにいた時、自衛隊から「西に逃げろ」との指示が。私たちはそれに従い、避難を続けました。