「被災地での避難中、トイレを借りに入った民家。水も食料もない空腹の中、『家族のためのおにぎり』がとても美味しそうに見えて...」(福島県・40代女性)
2023.03.04 11:00
テーブルの上のおにぎりが、とても美味しそうに見えて...
その途中、私たちはトイレに行きたくなってしまいました。ちょうど、一軒の民家を見つけたので、ご迷惑だろうなと思いながらもお願いしてみると、嫌な顔せず快くトイレを貸してくださいました。
その時、テーブルに置かれたおにぎりが目に入りました。ご家族で食べるものだと思います。
私たちには水も食料もなく、正直空腹で、そのおにぎりがとても美味しそうに見えました。
「おにぎりどうぞ。お腹空いてるでしょ」
お家の方がそう言っておにぎりを差し出してくださったのは、私たちがトイレを済ませ、感謝を伝えて立ち去ろうとしたときです。
当時、地震の影響で、営業しているスーパーやコンビニなどはなかったので、ご家族にとっても貴重な食糧だったはずです。
とても嬉しくて、でも申し訳なくて......涙が出ました。