マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界 第百回 エースコック「東京拉麺 ペペロンチーノBIG」 文・写真:オサーン カップ麺ブロガーのオサーンです。 「ご当地カップ麺」連載の第百回目となる今回は、セブン-イレブンで売られているエースコックの「東京拉麺 ペペロンチーノBIG」をレビューします。 ミニカップの駄菓子カップ麺である東京拉麺の「ペペロンチーノ」を、通常サイズのカップ麺で再現した商品です。 エースコック「東京拉麺 ペペロンチーノBIG」と東京拉麺「ペペロンチーノ」 東京拉麺「ペペロンチーノ」をカップ麺で再現 東京拉麺は、栃木・足利にある即席麺メーカー「新栄食品」の商品を販売する会社。 100円ショップなどでも売られている4食入りの味付き麺や、駄菓子コーナーに置かれている「ペペロンチーノ」や「しんちゃんラーメン」など、ミニサイズのカップ麺も販売しています。 なお、ミニサイズ即席麺を1962年に初めて作ったのは新栄食品とされていますし、ミニサイズカップ麺を初めて開発したのも新栄食品。 東京拉麺&新栄食品はミニサイズ即席麺のパイオニアと言える存在です。 東京拉麺とエースコックのコラボ商品 今回レビューする商品は、同社のミニサイズカップ麺の定番「ペペロンチーノ」を、エースコックが普通サイズのカップ麺として再現したもの。 エースコックは、過去におやつカンパニーとコラボし、「ベビースターラーメン」や「ブタメン」の味をカップ麺で再現たことがあり、駄菓子系即席麺のカップ麺化には実績があります。 エースコックは「ベビースター」や「ブタメン」をカップ麺で再現 今回は、どのように再現されているのかを確認するため、「ペペロンチーノBIG」と東京拉麺の「ペペロンチーノ」を食べ比べていきます。 「ペペロンチーノBIG」と「ペペロンチーノ」の内容物 「ペペロンチーノBIG」(左)と「ペペロンチーノ」(右)の内容物 東京拉麺「ペペロンチーノ」は別添袋が「粉末スープ」ひとつなのに対し、「ペペロンチーノBIG」は「仕上げシーズニング」と「麺ほぐし香味油」の2袋入っています。 「ペペロンチーノBIG」は麺量は90グラムで、汁なしカップ麺として標準的な量。東京拉麺「ペペロンチーノ」のちょうど3倍です。 「ペペロンチーノBIG」は湯切り専用(左) また、本家の「ペペロンチーノ」は湯切りして汁なし麺としても、スープありでラーメンとしても食べることが可能ですが、「ペペロンチーノBIG」は湯切りして食べる汁なし麺専用。 ちなみに、「ペペロンチーノ」の方の粉末は、ラーメンとして食べるなら全部入れ、汁なし麺として食べるなら半分入れることが推奨されています。 残り半分はお湯に溶かしてスープにします。 なつかしのプラスチックフタの湯切り口とツメ 「ペペロンチーノ」には、今や普通のカップ麺ではあまり見かけなくなったプラスチック製のフタで、ツメを開けるタイプの湯切り口がついています。 もちろんラーメンとして食べるならこの湯切り口は使いません。 水陸両用!東京拉麺「ペペロンチーノ」 東京拉麺「ペペロンチーノ」 まずは本家の、東京拉麺「ペペロンチーノ」。1997年に誕生し、20年以上も続くロングセラーです。 スーパーやコンビニなどの駄菓子コーナーで見かけることが多いのではないでしょうか。 麺量は30グラムで「カップヌードル」のミニサイズと同量ですが、汁なし麺として食べるとスープはないし、具もほぼ入っていないしで、食事というよりは駄菓子感が強い商品となっています。 汁なしバージョンとスープ 粉末スープを半分強使って汁なし麺バージョンを作り、残った粉末をお湯で溶かしてスープを作りました。 「やきそば弁当」のミニバージョンのようにも見えますが、麺とスープが同じ味です。 郷愁のチープ味!物足りなさがむしろイイ 麺は昔ながらの油揚げ麺でパスタ感はない 駄菓子コーナーに置かれる子供向け商品でもあることから、粉末を半分入れただけだと麺は薄味傾向です。 濃い味で食べるなら粉末は半分より多めに入れた方が良さそう。その場合、スープが薄味になるのでお湯の量を調整する必要があります。 麺を食べてみると、やさしい味ながら、ガーリックのパンチとバジルやパセリの香ばしい香りが感じられ、バジル入りのペペロンチーノの味を再現しています。 バジルなどに加えて唐辛子のほんの僅かなピリ辛も感じられ、薄味のやさしい味の中に、多少の大人の味も感じられるのが魅力でした。 一方で、麺はパスタ感が一切ない昔ながらの縮れの強い角麺形状の油揚げ麺。 弾力があって伸びにくい食感となっています。 ソースと合わせても麺表面に油分がないため、パスタのような滑らかさはなくちょっとボソボソした食感でした。 ラーメンでもやさしい味 湯切りをせずにラーメンとしても食べてみました。 規定通りにお湯を入れると、やはりやさしい味に仕上がりますが、ガーリックに加えてパセリやセロリの風味がしっかり感じられるため、子供向けとは言い切れない大人な雰囲気も漂わせます。 筆者はスープがあってすすり心地が滑らかなラーメンの方がお気に入りです。 量の少なさも含めてどこかチープで、食事と考えるなら多少物足りなさも残りますが、駄菓子として考えれば、それがむしろ懐かしさを感じさせる魅力的な部分にも映りました。 大きくなっただけじゃない!「東京拉麺 ペペロンチーノBIG」 エースコック「東京拉麺 ペペロンチーノBIG」 続いては、東京拉麺ペペロンチーノの味を一般的なカップ麺サイズで再現したエースコックの「東京拉麺 ペペロンチーノBIG」。 麺量は90グラムで通常商品の3倍、カロリーや脂質も概ね3倍、価格も3倍弱となっています。 セブン-イレブン限定での発売ですが、「セブンプレミアム」ではありません。 ペペロンチーノらしいパンチのある濃い味 強いガーリック風味にバジルやパセリ、胡椒を効かせたペペロンチーノ味のソースで、味の傾向は本家「ペペロンチーノ」とよく似ていますが、本家に比べて味が格段に濃く、ペペロンチーノらしいパンチがあります。 ガーリックの強さに加え、唐辛子のピリ辛も強く感じられました。 ほぐし香味油がいい仕事してる 別添の「麺ほぐし香味油」は、ガーリックの風味がついた油脂です。 麺をほぐすのはもちろん、ペペロンチーノらしい風味やこってり感を加え、本家「ペペロンチーノ」にはなかったすすった時の滑らかさを生んでいました。 香味油の存在で味だけではなく食感でもペペロンチーノらしさが一気に増している印象です。 丸麺形状の油揚げ麺 麺は、中細で縮れのついた油揚げ麺ですが、「ペペロンチーノ」の麺と比べて丸麺形状で縮れが緩やかで、だいぶパスタらしい形状となっています。 香味油に加え、麺の形状も滑らかで、ソースと麺の両面で本家よりペペロンチーノに近づいていました。 味の傾向では原型を留めたソースに比べ、麺についてはまるで別物です。 ペペロンチーノらしさが増した「BIG」 ミニサイズの駄菓子カップ麺「ペペロンチーノ」と、普通のカップ麺サイズで再現した「ペペロンチーノBIG」を食べました。 麺量やカロリーなど通常の3倍くらいになりましたが、単に大きくなっただけではなく、ソースの濃さや油脂による滑らかさ、麺の形状に改良が加えられ、よりペペロンチーノらしさが増しています。 「ペペロンチーノBIG」は、本家「ペペロンチーノ」をよりペペロンチーノらしくした商品と言えるでしょう。 両者を並べて食べてみると、どうしても本家「ペペロンチーノ」のペペロンチーノらしさが弱いと感じてしまいますが、だからといって魅力が色褪せるわけではありません。 チープさが懐かしさを思い起こさせ、愛着にもつながるのではないでしょうか。 また、ワンコインでお釣りが来る価格設定も魅力で、いつものカップ麺にはない大きな強みです。 筆者:オサーン カップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。 Twitter(@ossern)