強くて、かわいくて、環境にも優しい。 廃棄されてた「ホタテの貝殻」で作ったヘルメットが最高かも
2022.12.28 08:00
ホタテに似せて、強度アップ
ホタテの貝殻と廃プラスチックをベースに、大阪大学の宇山浩教授(工学研究科応用化学専攻高分子材料化学領域)と共同研究を行い、生み出されたのが新素材「カラスチック」。
プラスチックだけよりも強度(曲げ弾性率)が約 33パーセント向上し、またCO2 削減にも寄与するという。
それをヘルメットにする際、貝殻のようなフォルムにすることで強い強度を生み出した。ウネウネとした表面はホタテ貝の構造を模倣した特殊なリブ構造で、これがあることで約30%も耐久性が向上するというのだ。
自然界の仕組みを応用して技術開発に活かすことを、生物を意味する「Bio」と、模倣を意味する「Mimicry」を合体させ、「Biomimicry (バイオミミクリー)」と言う。「ホタメット」は、その考えに基づいて設計されたというわけだ。
そして完成したホタメットは2022年12月14日に発表され、本発売は2023年3月以降に予定している本発売に先駆け、クラウドファンディングサイト「Makuake」で先行予約販売を開始した。
製品化に至ったのは、近年、北海道でも大型地震の発生や、異常気象による大雨・雪害など災害リスクが高まっているため、ホタテ漁師だけでなく、もっと多くの人々を守る防災ヘルメットとしても活用できればと考えたから。
27日15時時点ですでに360人以上のサポーターが応援購入し、目標金額36万円のところ、153万円以上が集まっている。
ホタメットへの大きな反響に対して、南原さんは次のようにコメントした。
「想定を越える反応をいただけたことが、チーム一同の励みになっております。このプロジェクトはただプロダクトを販売することが目的ではなく、地域の廃棄物問題と向き合い、廃棄物にも新たな価値を見出すことで資源として有効活用していこうという想いから始まりました。多くの方にその意図が伝わり、そして賛同いただけたことが何よりも嬉しいです」「これからもモノづくりを通じて、社会に貢献できるよう尽力してまいります」(南原さん)