強くて、かわいくて、環境にも優しい。 廃棄されてた「ホタテの貝殻」で作ったヘルメットが最高かも
2022.12.28 08:00
廃棄物だった貝殻が、人と地球を守るために生まれ変わる
甲子化学工業は、1969 年創業のプラスチックメーカーで、さまざまな製品のパーツや生活雑貨などを開発・生産している。これまでは、卵の殻とプラスチックを組み合わせた新素材を開発していたそうだ。
卵の殻というのは、そのほとんどが炭酸カルシウムでできている。そして、ホタテの貝殻にもその炭酸カルシウムが含まれている。同社はこれが、新素材の材料として使えるのではないかと思いついた。
取材に応じた開発責任者・南原徹也さんは、ホタテ由来のヘルメットを作ることになったきっかけについて、次のように説明する。
「貝殻について調査を進めていく中で、ホタテ水揚げ量日本一位に何度も輝く、国内有数の生産地である北海道猿払村を知るとともに、村のある宗谷地区では、ホタテを加工する際に、水産系廃棄物として貝殻が年間約4万トンも発生していることを知りました。
そこで、貝殻の有効活用およびアップサイクルについてご一緒に何かできることがないか、猿払村にお声がけをさせていただきました」(南原さん)
また、貝殻の本来の役割は「外敵から身を守ること」。ホタテ漁は「危険と隣り合わせであったこと」から、ホタテ漁師の安全を守るヘルメットを作ることに。
「役目を終えた貝殻が、人と地球を守るために生まれ変わる。」――そんな想いから、研究が進められた。