冒険の気配を感じるぞ...! 山形にある「立体交差水路」に、何故かワクワクが止まらない
「上」と「下」は違う川
海藤さんによると、話題の立体交差水路は、上側が大樋川(おおどいがわ)、下側が野呂川(のろがわ)という川で、長井市中央地区の街中に位置している。
いつ頃に誰の手によって作られたものなのかは残念ながら記録が残っていないそうだが、1852年に描かれたとされる「小出村長井大火図」には、「立体交差水路」が描かれているという。少なくとも江戸時代にはすでに水路を交差させていたようだ。
設置に関する記録がないため、どういった目的で設けられたものなのかも不明。ただ、水量調節のための物だったのではないか、という説があるという。
そして、「なぜ立体交差しているのか」という疑問について、海藤さんは「これも明確にはわかりません」と前置きしつつ
「これは推測でしかありませんが、2つの川の水を混ぜずに『交差』させているということから、例えば上を流れる大樋川は現在でいう上水用、下を流れる野呂川は下水用といった風に、別々の役割を持っていたのかもしれません」
と述べた。
長井市を訪れる機会があれば、かつてどのような役割を担っていたのか想像しながら、あちこちの水路を水の流れと一緒に巡ってみるのも面白いかもしれない。