「吉野家の牛丼が食べたい」 プライドが高く「松阪牛」ばかり食べたがった母が、死の直前に望んだこと
「元気になったら吉野家の牛丼また食べたいねぇー」
老いた母はそこで、「おいしいけどもうおなかいっぱい。おまえが食べな」と食べるのを止めたので、私は母の隣で残った牛丼を食べました。その時「吉野家の牛丼は、前はいつ食べたん?」と聞いてみると「初めて食べた」と驚きの言葉が!
「一度食べてみたかったん。吉野家の牛丼、やっぱりおいしいねぇ」
その後、1週間ほどで母は急速に食が細くなり、約1か月後に亡くなりました。亡くなる数日前にも「元気になったら吉野家の牛丼また食べたいねぇー」と言っていました。
それから十数年が経った今、牛丼を食べていた在りし日の母の姿を思い出すと、「おいしいねぇ」といった後、「お店にお礼言った?」と私に尋ねていました。
購入した時は「サービスの一環かな?」としか思っておらず、そういえばお礼を言っていませんでした。
今思うと、ろくなお礼も言えなかった事がただただ恥ずかしく思います。
お弁当を購入しただけでしたが、色々ご配慮ありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)