「吉野家の牛丼が食べたい」 プライドが高く「松阪牛」ばかり食べたがった母が、死の直前に望んだこと
2022.11.08 08:00
最寄りの吉野家でも往復1時間弱だった
ただ、当時は最寄りの吉野家でも母の入院している病院からだと往復40分~1時間近くかかるところにあり、お店に行ってお弁当を注文し、持ち帰って食べるまでにかなり時間がかかってしまいます。
そんな事情を女性店員に伝えると、店長と思われる人と相談してくれました。店長は「それなら」とご飯とお肉を別々にして、肉も少しタレを切って、タレだけ味噌汁のカップに分けてくださいました。
病院に戻ってきた私は、分けて頂いた物を自前のどんぶりで合体させ、少し冷えた牛丼を母に食べさせました。
恐らく、できたての本来の味とはほど遠い食感や味ではなかったかと思います。それでも母は
「やっぱりおいしいねぇ」
「吉野家の牛丼おいしいねぇ」
と2口、3口と食べました。