どう見ても液体だが? 「木彫り」で作られたコーヒーがリアルすぎて脳バグ不可避
今にもいい香りがしてきそうなのに、飲めない。
そんな衝撃的な「コーヒー」の写真がツイッターで注目を集めている。
白いカップになみなみと注がれるコーヒーは、とっても美味しそう。だが、飲むことはできない。
なぜかって? だってこれ、「木」で出来ているんだもの。
「木彫りの『注がれたコーヒー』できました!」
2022年10月22日、そんなつぶやきと共に先ほどの画像を投稿したのはツイッターユーザーのキボリノコンノ(@kibori_no_konno)さん。とても木彫りとは思えない作品を制作し、注目を集めている人物だ。
今回の作品は、本物のカップに「木彫りのコーヒー」をはめ込んだものだという。......いやいや、液体にしか見えませんが?
コーヒーを徹底的に観察した結果
木彫りのコーヒーとは、つまりどういうことなのか? キボリノコンノさんは「コーヒー部分だけ」の写真も投稿している。
確かに、木のようだ。しかし相変わらず細く注がれている部分は透き通って見える。木が透けるはずはないのに......。
いったいどんな方法で、木でコーヒーを再現したのか。Jタウンネット記者は8日、キボリノコンノさんに詳しい話を聞いた。
キボリノコンノさんがまず行ったのは、モデルの徹底的な「観察」。本物のコーヒーを何度もカップに注ぎ、どんな風に流れていくのかを調べた。
「動いていて形のない注がれた液体を形にするということで、どのような形にするのかとても悩みました。本物のコーヒーをポットや急須など注ぎ口を変えて注ぐ実験をし、最も液体感があり美味しそうに見える形を研究して形を決めました」(キボリノコンノさん)
形を決めたら、(1)用意したヒノキの角材ををノコギリで切って余分な箇所取り除き、(2)彫刻刀と電動のルーターを使い、水面の揺らぎや注がれるコーヒーの形をさらに細かく彫り込んでいく。「木彫り」として出来上がったら、(3)アクリル絵の具で着色、(4)ニスで艶出しを行い、完成だ。
制作時間は12時間。造形はもちろん、透明感を出すための色の付け方にもこだわっている。
「透明感のない木の塊に透明感が出るように着色するのも難しく、細かな微調整をしながら絵の具で着色をしました」(キボリノコンノさん)
「コーヒー豆」が「注がれたコーヒー」に進化
キボリノコンノさんが作り上げた「木彫りのコーヒー」は、ツイッターユーザーに大きな衝撃をもたらし、31日夕時点で6万4000件を超える「いいね」(31日夕時点)が寄せられるほど、大きな注目を集めた。
作品を見た人からは、驚嘆の声が数多く上がっている。
「これまた凄くて脳が騙されてます 湯気まで見えてきました」
「いや、おかしい。樹脂で作られたサンプルでさえこんなにリアルじゃない」
「え、もうこれ注がれているコーヒーの流れも、水面の揺れている様子も、液体にしか......!?」
「液体じゃん.....どういうこと......天才」
「驚嘆」という言葉がピッタリの反応だ。そして、これこそがキボリノコンノさんが作品を作る理由でもある。
キボリノコンノさんが木彫り作品の制作を始めたのは21年9月。「おうち時間にできる趣味」としてスタートし、「木彫りであっと驚くもの」をテーマに約1年の間、作品を作り続けてきた。現時点での集大成としてつくられたのが、今回の「注がれたコーヒー」だ。
何故この題材を選んだかというと、木彫りをはじめて最初に作った作品が「コーヒー豆」だったから。
「制作を始めて1年が経ち、何かこの1年の集大成となるような作品を作りたいと思い、1年前のコーヒー豆がコーヒーに進化したら面白いなと思い制作しました」
「今回の作品は、これまで作って来た作品の中でも特に納得の出来だったので、たくさんの反応や『驚いた!』というコメントをいただけてとても嬉しかったです。
次はどんな作品でみなさんに驚いてもらうか考えるのが楽しいです」
とキボリノコンノさん。
次はどんな作品で我々を驚かせてくれるのか。キボリノコンノさんの木彫りから、目が離せない。