「自転車旅の途中、山道で事故った高校生の私。バイクに乗った二人組が『ここで待っていろよ』と言って...」(大阪府・60代男性)
「絶対に戻ってくるから、ここで待っていろよ」
どうしたものかと困っていたところ、ちょうど通りがかった1台のバイクがそばに停車しました。
乗っていたのは20~22歳くらいの2人組。彼らはバイクから降りると、運転していた方が私の自転車の曲がったタイヤを工具ではずし、後方に座っていたもう1人がそのタイヤを運転手との間に挟む形で持って、再びバイクに跨ります。
「絶対に戻ってくるから、ここで待っていろよ」
2人はそう言って、私の自転車のタイヤを持ってバイクで坂を下っていきました。
そうして待つこと数時間。2人が坂を上って再び現れました。まっすぐになった自転車のタイヤが、二人の間に挟まれています。
そして、タイヤを私の自転車に装着すると、こう言いました。
「この下に自転車屋さんがあるから、そこでお金だけ払って行ってね」
2人は、私の代わりに壊れたタイヤを修理しに行ってくれていたのです。