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「自転車旅の途中、山道で事故った高校生の私。バイクに乗った二人組が『ここで待っていろよ』と言って...」(大阪府・60代男性)

福田 週人

福田 週人

2022.10.08 08:00
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シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Uさん(大阪府・60代男性)

それは、まだ高校生だったUさんが一人でサイクリングをしていた時の事。

車の通りも少ない坂道で転倒した拍子に、自転車のタイヤが壊れてしまい......。

ツーリングの途中で自転車のタイヤが故障し......(画像はイメージ)
ツーリングの途中で自転車のタイヤが故障し......(画像はイメージ)

<Uさんの体験談>

今から約47年前、当時17歳の高校生だった私が、夏休みに一人で南九州を自転車でまわった時のことです。

霧島からの下り坂で転倒し、自転車の前輪リムが曲がってしまいました。

「絶対に戻ってくるから、ここで待っていろよ」

どうしたものかと困っていたところ、ちょうど通りがかった1台のバイクがそばに停車しました。

乗っていたのは20~22歳くらいの2人組。彼らはバイクから降りると、運転していた方が私の自転車の曲がったタイヤを工具ではずし、後方に座っていたもう1人がそのタイヤを運転手との間に挟む形で持って、再びバイクに跨ります。

「絶対に戻ってくるから、ここで待っていろよ」

2人はそう言って、私の自転車のタイヤを持ってバイクで坂を下っていきました。

壊れた自転車のタイヤをもって...(画像はイメージ)
壊れた自転車のタイヤをもって...(画像はイメージ)

そうして待つこと数時間。2人が坂を上って再び現れました。まっすぐになった自転車のタイヤが、二人の間に挟まれています。

そして、タイヤを私の自転車に装着すると、こう言いました。

「この下に自転車屋さんがあるから、そこでお金だけ払って行ってね」

2人は、私の代わりに壊れたタイヤを修理しに行ってくれていたのです。

「神様に出逢ったとしか考えられない」

私は「すみませんでした。お名前教えてください」と2人に言ったのですが

「いやいや、ツーリング仲間じゃん」
「この先も気をつけて行けよ!」

と言っただけで、名前も何も言わずにまた坂を下って行きました。

その後、言われた通り自転車屋さんで修理代を支払った私は、「バイクの人たちの名前はわかりますか?」と尋ねてみたのですが、「まったく知らない人だったよ」と言われました。

なぜあの時バイクのナンバープレートを控えておかなかったのかと後悔しました。

ピンチを救ってくれた、名も知らぬバイク乗りたち(画僧はイメージ)
ピンチを救ってくれた、名も知らぬバイク乗りたち(画僧はイメージ)

坂の麓に自転車屋さんがあるのを知っておられたので、地元の人(鹿児島か宮崎)だったのだろうと推測しています。

通る車が少ない霧島の山道、高校生がそこで自転車の自損事故を起こしてしまった。助けを求めるにしろ、携帯電話などはまだない時代。そこで助けてくれたバイクの2人。

神様に出逢ったとしか考えられない出来事でした。しかし、若かったこともあり、当時はちゃんとお礼も言えませんでした。

あの二人には、「人にやさしく、困っている人を助ける精神を教わりました。それから私は、困っている人が目の前にいたら声掛けをするようにしています。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージメール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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