「圧倒的な廃墟感に負けず、ドンドン進もう!」 夕張にある博物館が、いろいろ尖りすぎてる件
展示の導入は「夕張の財政破綻」
夕張市石炭博物館は、かつての炭鉱跡地を利用したテーマパーク「石炭の歴史村」の中核施設として1980年に開館。北海道の石炭産業、そして炭鉱と共に歩んできた夕張市の歴史を伝える施設だ。
2階の展示室の導入はなんと「夕張の財政破綻」というテーマだ。
映像や写真、当時の日用品などの展示によって、破綻へと至る激動の動きが、生々しく描かれているそうだ。また、立坑ケージ風味のエレベーターを降りて向かう地下展示室では、鉱山で使われていた機械や器具の展示、マネキンを使った当時の作業の様子の再現を見ることができる。
「現在は約7000人ですが、1960年には夕張市は人口12万人だったのですよ。石炭産業は、日本のエネルギー確保のために、いかにがんばってきたかということを、もう一度理解してもらいたいですね。博物館の展示をご覧いただければ、それが分かると思います」と、吉岡館長。
話題の写真を投稿した「図書室のyasu」さんは、「圧倒的な廃墟感」の案内板にひるみつつ、勇気を出して一歩踏み出し、そして博物館に辿りついた。館内の展示で最も印象的だったのは、炭鉱末期に導入されていた「ドラムカッター」(炭層を削って石炭を採掘するための機械)の実演運転と解説だという。
「近代的な採掘方法が導入されたにも関わらず、結局それを扱うためのコストが高過ぎたという話が深く心に残りました」(「図書室のyasu」さん)
石炭の歴史を振り返ることも、有意義な旅となるに違いない。廃墟感に負けず、あと250メートル前進してみてはいかがだろう。