金魚ねぷたやさしい光が充満してる...! 弘南鉄道大鰐線「金魚ねぷた列車」で、異世界まで行けちゃいそう
「青森県弘前市から大鰐町を走る弘南鉄道大鰐線で金魚ねぷた列車が走っているのがあまりに美しいからみんなに知ってほしい」
そんなつぶやきと共に、とあるツイッターユーザーが2022年8月21日に投稿した写真が、ツイッター上で注目を集めている。
電車の中を撮影したものだが、まるで別の場所化のような雰囲気だ。オレンジ色の光が充満していて、なんとも幻想的で美しい。両側に下がっているように見えるのが、「金魚ねぷた」なのだろうか。
アートディレクター/ライターの「蛯名ミカコ」(@mica10932)さんのツイートには、8月31日時点で2万7000件を超える「いいね」が付けられ、こんな声も寄せられている。
「今日、踏切待ちで目の前通過して行きました。乗りたかったぁ~」
「夜に偶然見かけた電車が美しかったので気になっていました。車内はこんなに沢山の金魚ねぷたがあったとは!幻想的で美しい夏の夜でした」
「中も、外から観ても幻想的ですね」
「ジブリっぽい」
青森県の夏の行事、「青森ねぶた祭」や「弘前ねぷた祭り」はあまりにも名高いが、「金魚ねぷた列車」とは何だろう?
Jタウンネット記者は、投稿者「蛯名ミカコ」さんと弘南鉄道に取材した。
下から見上げると金魚が揺れ、愛くるしい
弘南鉄道は、青森県弘前市を中心に「弘南線」「大鰐線」の2つの鉄道路線を運営する鉄道会社。
その内、弘前中央駅と大鰐駅を繋ぐ大鰐線では、8月から9月にかけて車内を、金魚を模った手持ちねぷたで装飾している。
青森県の公式サイトによると、この「金魚ねぷた」は津軽の祭りに欠かすことのできない夏の風物詩。江戸時代、金魚は高級魚で上流階級しか買うことができず、庶民にとっては憧れの存在だった。そこで金魚を模ったねぷたを作り、子供たちがそれを提灯のように持って祭りを練り歩いたという。
今では祭りの時だけでなく、インテリアやお土産としても人気があるそうだ。
投稿者「蛯名ミカコ」さんがそんな「金魚ねぷた」に照らされた電車に乗ったのは、8月21日のこと。
中央弘前駅18時30分発の弘南鉄道大鰐線に乗って大鰐駅まで行き、19時30分大鰐駅発の電車で中央弘前駅まで折り返したという。その時の印象を、次のように語っている。
「金魚ねぷたの灯りだけで走るその姿は幻想的な世界が広がっています。車窓にも反射されまるで万華鏡の様です。下から見上げると金魚が揺れ、またそれが愛くるしい姿です」(「蛯名ミカコ」さん)
9月1日から、プロねぷた絵師製作「金魚ねぷた列車」運行!
8月1日~28日までは、沿線の弘前市立桔梗野小学校の児童が絵付けした個性あふれる金魚ねぷた約200個が車内に飾られていた。
「とても幻想的な世界が広がっています! 夜は異世界に連れていってくれます」「下から見ると金魚のお尻がフリフリしてとても可愛いです」と「蛯名ミカコ」さん。また、こうも語っている。
「弘南鉄道大鰐線は廃線の危機にあります。地域的に車社会の地域ですが、春は桜、夏は田に映る水鏡の電車、秋はりんごの畑を駆け抜け、冬はラッセル車が勇ましく除雪する様が見える鉄道です。鉄道から眺められる景色はレールからしか見られません。より多くの方に環境にも優しくそして、美しい世界が広がる弘南鉄道大鰐線をぜひご乗車いただきたいと考えています」(「蛯名ミカコ」さん)
9月1日からは、子供たちの金魚ねぷたから、プロのねぷた絵師が制作した約350個の金魚ねぷたに入れ替わり、9月30日まで運行予定。
期間内の土曜・日曜の夜間は、金魚ねぷたの明かりだけで運行する予定なので、写真のような幻想的な空間を楽しみたい方は、ぜひその時間に。