もう、ひとりぼっちじゃない。 津波から生き残った「奇跡の一本松」、きょうだいの成長を見守り中
2022.08.26 06:00
時間をかけて再生していく
そして、奇跡の一本松のそば以外でも、新たな動きがある。
津波によってほとんどが流された高田松原の松林は、約350年前から先人たちが植林を行い、市民の手で守り育ててきた誇り。いま、その再生が始まっているのだ。
岩手県とNPO法人「高田松原を守る会」が主体となり、17年から本格的に高田松原に松を植え始めた。そして、21年5月に4万本の植樹が完了している。
「今では高いもので1メートルまで成長した松もあります。
ただ、道のりは長いです。元の高田松原の姿を取り戻すには40~50年かかるとも言われています」(高田市都市計画課の職員)
奇跡の一本松の後継樹に、4万本の若い木が作る松林。景勝地として名高かった高田松原は、再びその場所で新たに育ち始めている。