もう、ひとりぼっちじゃない。 津波から生き残った「奇跡の一本松」、きょうだいの成長を見守り中
兄弟たちが近くにいる
写真には、奇跡の一本松の近くに小さな松が複数生えている様子が収められている。まるで奇跡の一本松に仲間がいるようだ。
松たちは一体何なのだろうか。疑問に思ったJタウンネット記者は8月24日、陸前高田市を取材。応じた都市計画課の職員は、次のように説明した。
「周囲の松は奇跡の一本松の後継樹です。奇跡の一本松が生きている頃から接ぎ木などをして育てたものを植樹したものなんです」
奇跡の一本松の周囲にあるのは、その遺伝子を引き継いだ松。「簡単に言うと、きょうだいみたいなものですね」と職員は語る。
その兄弟たちを育てたのは住友林業(東京都千代田区)。19年9月24日付のプレスリリースによると、同社は震災直後から奇跡の一本松の後継樹育成を試み11年に「接ぎ木」と植物を種から育てる「実生(みしょう)」による苗木増殖に成功。その後育った後継樹3本が19年9月、陸前高田市に植樹された。
それから3年。彼らは長兄が見守る中で成長を続けている。