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超強大なパワーを持ってそうな巨大魚が激写される 「いいですか、ニンゲンたちよ...」

福田 週人

福田 週人

2022.07.11 17:02
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水族館で目撃されたやたらと威厳のある魚が、ツイッター上で注目を集めている。

何か語りかけている?(画像は空白寺@vanity_templeさんのツイートより)
何か語りかけている?(画像は空白寺@vanity_templeさんのツイートより)

こちらは、東京都在住の会社員・空白寺(@vanity_temple)さんが2022年7月3日に投稿した写真だ。

水槽を眺める人々の正面頭上。真一文字に口を引き結んだ大きな魚が、真っすぐにこちらを見ている。その絶妙な配置から、空白寺さんは

「『いいですか、にんげん。』みたいになってる」

と呟く。何かを教え諭しているような、なんだか只者じゃない雰囲気の魚に、ツイッター上ではこんな声が。

「長老感がすごい!」
「力が欲しいかって言うてそ」
「こ、こんな表情で出逢ったら迷わず土下座しそう‥」
「間にガラスがあるから良いけれど、これが生身で潜水中にこうハタと見据えられたらビビりますわ」

このお魚さん、一体ナニモノ? Jタウンネット記者は4日、まずは投稿者の空白寺さんに話を聞いた。

威厳があるけど愛嬌もある

空白寺さんが話題の写真を撮影したのは6月30日の午前11時ごろ。場所は鹿児島県鹿児島市にある「いおワールドかごしま水族館」で、映っているのは「タマカイ」という種類の魚だという。

「9時30分の開館とともに入館して、撮影しながら館内をまず1周したときには水槽底でじっとしていました。その後、2周目に該当の水槽に来たところタマカイが悠々と泳いでおり、水槽正面に正対する状態で水中静止する珍しいシチュエーションに。そこに二人の女性客がやってきてタマカイを眺めはじめ、投稿写真のような状況になりました」(空白寺さん)

タマカイはこの時、1分近く泳ぎながら水槽に正対し、正面顔を見せてくれたそうだ。

頭にコバンザメが乗っているタマカイ(画像はいおワールドかごしま水族館提供)
頭にコバンザメが乗っているタマカイ(画像はいおワールドかごしま水族館提供)
「タマカイは大きいため、水槽に正対するよりも側面を見せていることの方が多く、真正面顔をじっくり見られる機会はあまりないので、写真をたくさん撮りました。
タマカイの正面顔に愛嬌と威厳があり、その前に立つ二人のお客さんに大事なことを伝えているかのように見えて『いい光景だなあ...』と思いました」(空白寺さん)

改めて正面顔をよく見てみると、飛び出た目や分厚い唇がどことなく愛らしいかもしれない。

タマカイがこんな姿を見せてくれることは、よくあるのだろうか。Jタウンネット記者は5日、いおワールドかごしま水族館にも話を聞いた。

全長およそ130センチ

取材に応じた展示課・魚類展示係の山田守彦さんによると、同館では開館時からタマカイの展示を行っている。空白寺さんが撮影した個体は、2010年4月に業者から購入した3世代目で、全長はおよそ130センチメートル。奄美大島や与論島といった、鹿児島県の南の島の浅いサンゴ礁域をイメージした水槽にいるという。

「(タマカイは)日本の海では珍しい種ですが、多くの水族館で展示されている種でもあります。おいしいことで知られるクエの仲間でハタ科に属します。強い肉食性の魚で、水槽内ではアジをまるごと、もしくは半分に切ったものをえさとして与えています」(山田さん)
背中にハリセンボンを乗せているタマカイ(画像はいおワールドかごしま水族館提供)
背中にハリセンボンを乗せているタマカイ(画像はいおワールドかごしま水族館提供)

なお、タマカイが正面顔を見せてくれるのは珍しいことなのかどうかについては

「あまり多い状況ではないとは思いますが、そんなに珍しいことでもないかと思います。ただ、通常時はお客様から見て横向きの状態で、泳ぎ回らず中層にじっと浮いていることが多いです。
またエラや口を開けて、ホンソメワケベラという小さな魚にクリーニングされている姿がよく見られます」

と説明した。

また、ツイッター上で「長老っぽい」「ボスキャラっぽい」といった声が寄せられていることについて、山田さんは以下のように述べた。

「普段からお客様に対して『この水槽の主です』と言ってますので、その通りですといった感じです」
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