「若いもんが、そんな物ばかり食っとったらいかん」
そんな道中、フェリーで北海道に向かう途中の事です。
フェリー代で所持金のほとんどを使ってしまい、船内の食事も高かったので、食事と言えば自販機でカップラーメンでした。
そんな私を見かねたのか、見知らぬ初老の男性が
「若いもんが、そんな物ばかり食っとったらいかん」
と、私に名刺を渡し、「食事の時間になったら食堂に来なさい」と言ってその場を立ち去って行きました。
言われるままに食事時に食堂に行くと、その男性が定食を準備して待っていました。そこから、その男性が下船するまでの間、私のすべての食事を、その男性が奢ってくれたのです。