「履き物壊れたんか?」
その時の私はたまたま班の最後尾にいたため、他の子たちはそんな私に気付かず、先に行ってしまいました。
真夏で蒸し暑く、少し薄暗い地下道の中でどうしたらいいか分からないまま、私は1人で途方にくれるしかありません。
しかし、しばらくすると一人のおじいさんが地下道を通りかかりました。
「履き物壊れたんか?」
そのおじいさんは私にそう聞くと、荷物からビニール袋を取り出して紐状にし、壊れたサンダルの底の部分と脚の甲を縛ってくれたんです。
そのおかげで歩くことができ、私は無事に家に帰ることができました。