「駅のホームでただ一人、バッグを抱えて座る私。『母との約束』を守って、その場で待ちつづけようとして...」(長野県・30代女性)
2022.06.05 08:00
ベルが鳴り、扉が閉まり、母は...
祖母は大丈夫と言っていたのですが、母は心配だったらしく、祖母の荷物を電車の中まで運んであげることに。
その間、私は母から言われた通りに、母のバッグを抱えて、ホームのベンチに座り、その様子を見ていました。
その時、ベルが鳴ったのです。電車の扉は締まり、祖母はもちろん、母まで乗せて発車してしまいました。
母は今でもこの時の私の顔が忘れられない、と言います。
きっと、母も相当慌てたことでしょう。当時はまだ携帯電話なんてない時代なのですぐに連絡をとることもできません。
しかも、次に止まる駅は隣町で、かなり離れた場所にある上、折返しの電車もしばらくなかったのです。