とある倉庫で「古いお宝」が発見される→正体は「日本初の完全金属外装乾電池」 パナソニックも「貴重です」
ある家で発見された「お宝」の写真が、ツイッターで話題になっている。
映っているのは、赤と黄色と黒のカラーリングで「ナショナルハイパー乾電池」と書かれた2本の電池だ。そのほか、「完全外装」や「松下電器産業株式会社」の文字も見える。
こちらは、静岡県在住のツイッターユーザー「設備好きな学生」(@setsubiLike)さんが2022年4月12日、
「僕の祖父が『親戚の家の倉庫を片付けしていたら古い電池が出てきた』というので見せてもらったところ、なんとナショナルのおよそ60年前の電池が出てきました!
液漏れもほとんどしていなくて状態がとてもいいです。とにかくデザインがおしゃれ!!」
という呟きと共に投稿した写真。どうやらこれは、かつての松下電器産業(1935年~2008年。08年10月、パナソニックに社名変更)が発売していた「ナショナル」ブランドの乾電池らしい。
思わぬ「お宝」の発見に、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。
「な、ナショナル! お前生きとったんか!」
「博物館級の発見!」
「缶詰みたいなデザインで自己主張が凄いっ!」
「カッコいい...昭和の巨大ロボとかも動かせそうな説得力の、完全外装! ナショナルハイパー乾電池!」
これほどの保存状態の物は「貴重です」
15日、Jタウンネット記者が「設備好きな学生」さんに話を聞くと、乾電池発見の経緯は投稿の通り。
「祖父が親戚の家の倉庫から見つけてきました。今時なさそうなおしゃれでレトロなデザインだったため、記念に撮影しました」(設備好きな学生)
その後、見つけた乾電池は大切に保管しているという。
この乾電池はどういったものなのだろう。Jタウンネット記者は20日、パナソニックにも話を聞いた。
取材に応じた同社乾電池商品企画の担当者によると、話題の乾電池の製品名は「ナショナル ハイパー」。1954年に、国産初の「完全金属外装」の乾電池として発売されたものだという。
「日本で初めて、電池の外装を紙から金属へ変えた製品です。この金属外装の導入などにより、持続時間が伸び、漏液を抑制し、貯蔵寿命を延ばすことに成功しました。
またこの製品は、欧米技術ではなく自社開発にこだわって成し遂げたものでした」(担当者)
同製品は、単一サイズのものは発売当時の価格で「正価40円」で販売され、主に懐中電灯やランプに使用された。ただ、具体的にどれくらいの持続時間だったかについては「当時のデータが入手できませんでした」。
2022年4月現在はすでに製造はされていないとのこと。それだけに、「設備好きな学生」さんの投稿については、担当者も
「写真で見る限り非常に綺麗な状態であり、貴重です」
とコメントした。「設備好きな学生」さんには、今後もぜひ大切に保管していってもらいたい。