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「平和」という名を背負い続けて76年 改めて知っておきたい「Peace」が愛される理由

大山 雄也

大山 雄也

2022.04.01 17:00
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葉に隠されていた「平和」

終戦直後の人々の平和への思い。それは、ピースに使われている葉たばこにも詰まっているという。

「ピースの特徴は、バージニア葉(編注:米・バージニア州で栽培が始まった品種)の使用にこだわっている点だと言えます。そして、ピースは1951年から外国産のバージニア葉を使っています。外国産の葉というのは、平和じゃないと輸入できないのです。1945年まで日本はアメリカと戦争をしていたわけで、戦時中であればバージニア葉は輸入できなかった。
そういった意味で、外国産葉を使っているピースは平和な時代のたばこなんだと言えます」(鎮目さん)
過去に使われていた広告
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ピースの販売を続けられる。それは日本が平和であることの何よりの証拠と言えるのかもしれない。

しかし、ピースが売られ続けているのは平和な時間が続いているから、というだけではない。独特の「味と香り」も長生きの一因になっている。

「ピースはほかのブランドに比べて、味と香りへのこだわりが圧倒的に強い。ピースはバージニア葉を使っていることを大きく売り出していますが、それは芳醇な香りと優しい甘味と柔らかさにつながっている。つまり、紙巻きたばこが目指す味の理想を体現しています。
また、香りを加える加香という工程でも、ピースは戦後当初では珍しかった第2加香という作業が行われていた上、1950年からはピース専用の香料まで作っていました。それだけピースは大事にされていたんです」(鎮目さん)

ピースというブランドを語るうえで、もう1つ欠かせないのが「デザイン」だろう。現在でもパッケージにはオリーブをくわえた鳩の象徴的なロゴが使われているが、これが初めて登場したのは1952年4月。

手掛けたのは、「ラッキーストライク」のデザインや不二家のロゴであるF(ファミリー)マークなどを手掛けたことで知られるレイモンド・ローウィだ。

日本専売公社をローウィが訪れた際の写真。ローウィは中央にいる口ひげのある人物。
日本専売公社をローウィが訪れた際の写真。ローウィは中央にいる口ひげのある人物。
「ローウィは1951年4月に来日。デザインの大切さを日本に説くためにやってきたそうです。
そんな訪日の中で、当時の日本専売公社に訪れて日本のたばこデザインの批評を行っていました。そのときに、秋山孝之輔総裁(当時)がピースのデザインを変える動きがあるとローウィにポロっと話してしまったんです。
するとローウィが『私にピースのデザインをやらせてくれないか』とプレゼンを始めてしまったそうです」(鎮目さん)
デザイン界に与えた大きな影響
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