「娘たちの座席の隣に、大学生の男性。離れた場所で眠ってしまった私が、様子を見に行くと...」(愛知県・40代女性)
偶然出会った人と一緒だったから、楽しい時間を過ごせた――
そんな経験談を愛知県在住のJタウンネット読者・Aさん(40代女性)が編集部に寄せてくれた。
Aさんは約15年前、5歳と3歳の娘を連れて、大阪の実家まで帰省。名古屋から大阪まで近鉄の特急電車で移動した。
しかし、お盆で特急は満席。チケットが取れず、車内でAさんは娘たちと別々になってしまった。
娘たちの隣には大学生の男性が座っており、男の人が苦手な次女は「ママ一緒に座ろうよ」と、泣きそうな顔で訴えてきたという。
「大丈夫かな?」そう思いながらも娘たちのもとを離れたAさんだったが......。
しっかり者の長女に次女を託す
あれは今から15年ほど前の夏の出来事です。
その日は、5歳と3歳の娘を連れて、愛知から大阪の実家に娘2人を連れて帰省する日でした。
私たちは名古屋発の近鉄特急に乗車したのですが、お盆で満席だったため、チケットが1枚しか取れません。娘は幼児2人だったので通路側の1席に座らせて、私は通路で車内の時間を過ごすことに。
娘たちの席の隣には、大学生の男性が座っていました。私は「ママはあっちにいるからお利口に座っててね」と娘たちに言ったものの、次女は男の人が苦手だったので男性をチラチラ見ながら「ママ一緒に座ろうよ」とちょっと泣きそうな顔で訴えました。
その後、しっかり者の長女に次女を託し、男性に「すみません」と言って、私はその場を離れます。男性は私に笑顔で会釈してくだりました。
私は「娘たちは大丈夫かな?」と後ろ髪をひかれる思いもあり、最初はちょっと様子を見に行きました。しかし、午前中に仕事をしてから少し家から遠い最寄駅まで娘2人を連れて歩いて向かったので、疲れから私はしゃがみ込んで眠ってしまったのです。
すると、しばらくしてトントンと肩を軽く叩かれて起こされました。顔を上げると隣の席の男性で、「娘さんがトイレって言ってお姉ちゃんが連れて行きました」と教えてくださったのです。
「ありがとうございます」と言って、私がトイレに向かうと長女が次女をトイレに連れて行ってくれていました。用を足して席に娘たちを座らせると、私はまた元の場所に戻りました。
窓際の男性とすっかり仲良しに
そうこうしているうちに時間が流れ、しばらくするともうすぐ到着のアナウンスが流れます。
私は娘たちの席へ行くと、窓際の男性と娘たちはすっかり仲良しになっていて、持っていたゲーム機で一緒にゲームして遊んでいました。
娘は偉そうに男性の下の名前を呼び捨てで呼んでいました(笑)。
娘たちに「楽しかった?」っていうと「うん、〇〇がずっと遊んでくれた!」と言っていました。
私は男性に「本当にありがとうございました」と頭を下げてお礼をいうと、「僕も楽しかったです」と言ってくれ、娘たちに手を振って笑顔で別れました。
娘たちは後で、男性が名前を教えてくれたことや、いろんなお話をしてくれたこと、ゲームで通信して遊んでくれたことなどを話してくれました。
隣が小さい子2人で迷惑だったかもしれないのに、男の人が苦手な次女まで懐いて、娘たちが大阪までの2時間退屈することなく楽しく過ごせたのは、あの男性のおかげです。
そんな娘2人も20歳と18歳になり、あの男性が今どうしてるのかと時々思います。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
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