石に「内臓」がある...? 独特すぎるセンスの彫刻作品が話題「発想が天才」「石は生きてるんだ」
ヒントは「轢かれたネズミの内臓」
水上さんが「石の内臓」を制作し始めたのは21年の8月7日ごろで、空き時間を利用して1週間程度で作ったという。
その後はしばらく自宅で保管していたものの、大学の同級生と行うことになった展示会に同作品を出展しようと思い、そのついでに撮影した物が話題になっている写真とのことだ。
それにしても、一体どうして「石の中にある内臓」を制作してみようと思ったのだろうか。記者が改めて制作に至った経緯を聞くと
「深夜に自宅周辺を散歩していた時に、轢かれたネズミの内臓が飛び出ているのを見て、普段は見えていない物が内側に存在している事を実感しました。
ネズミの死体と内臓のリアルさが現実離れしていて作り物のように見えたので、同じような現実離れした違和感を作品に植え付けられればと思い、身近な物に内臓を加えてみようと思いました」
と水上さん。そこでまず思いついたのが石だったそうだ。
また、制作にあたっては多くの人に共通する内臓のイメージになるように意識したとのことで、「石に内臓が付いていても自然に見えるように内臓の形体をこだわっています」。
その結果、完成した「石の内臓」はたしかに本物なのではないかと錯覚するほどリアルな仕上がりだ。一体どのようにしてここまでのリアリティを出しているのか気になるところだが、詳しい制作工程については「いまのところは非公開でお願いします」とのことだった。
「美術大学には常に石と向き合っている人達がいます。素材に向き合ってそこから形を掘り出す人達から見れば自分の作品は稚拙な作品なのではと思っています。ですが、1つの素材からだけでは引き出せない魅力を引き出せたのではないかと思っています」(水上さん)
また、ツイッター上で反響があったことについては
「多くの人に見ていただいて感謝しています。この作品をシリーズ化する事は全く考えていませんでしたが、シリーズ化して作ってみようと思います」
とコメントしている。