「母について歩いていくと、辿り着いたのは車が1台も通らない場所。タクシーを探してたはずなのに...」(愛知県・50代男性)
「このまま行ったら夜中に山の中ですよ」
するとそこへ、10分ほど前に私たちのそばを通り過ぎた車が折り返してきました。その車の運転手は窓を開けると
「どちらへ行かれるんですか?」
と私たちに声をかけてきました。母が「○○へ行こうと思ってるんですけど...」と目的地を伝えると、運転手の人は
「道間違えてますよ。このまま行ったら夜中に山の中ですよ」
と教えてくれました。私たちはやはり道を間違えていたらしかったのです。
そこで母が「どこまで戻ったらいいですか?」と道を確認しようとしたら、その運転手が
「いいから乗りなさい」
と言って、私たち4人を車に乗せてくれたのです。
「困った時はお互いさまですから」
車に乗っていたのはご夫婦で、話を伺ったところ、この道を歩いている私たちのことを変に思ってわざわざ折り返してきてくれたそうです。
その後、当初向かう予定だった乗り換えのバス停まで送っていただきました。
おかげで、私たちは無事に島を出る船の最終便に間に合うバスに乗ることができました。
母はご夫婦に何度も頭をさげて「とにかく名前だけでも教えてください」と言いましたが
「困った時はお互いさまですから」
とおっしゃって、名乗ることはありませんでした。
それ以来お礼も言えぬままとなってしまいましたが、あれから50年近くたった今でもあの時の御恩は忘れられません。あの時は本当にありがとうございました。
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