鹿児島県在住の30代男性・Tさんが初めて東京を訪れたのは、2006年の2月。大学受験のためだった。 故郷とは全く違う風景に興奮と困惑を感じる中で出会ったのが、とある地方出身の女性。 2月になるといつも、彼女のことを思い出す。 受験の日、渋谷で(画像はphotoAC) <Tさんからのおたより> 私が初めて東京に行ったのは高校3年生の2月、大学入試のときだった。 鹿児島から来た私は東京の街並みに興奮し、渋谷の人混みに困惑し、気付いたら完全に道に迷っていた。 それもあろうことか受験日当日に。 道を聞いても知らん顔 今のように地図アプリがあるわけでもなく、道を聞いても知らん顔をされ、途方に暮れて泣きそうだった。 そのとき、10歳くらい年上の女の人が声をかけてくれた。 木村さんという髪の長い女性だ。 忘れられない、木村さん(画像はphotoAC) 木村さんに事情を話すと、こう言ってくれた。 「私は秋田出身なの。あなたが受験する大学のそばで働いてるから、一緒に行ってあげる」 木村さんのおかけでギリギリ試験に間に合って、4年間通うこともできた。 入学してから気付いたこと 入学してから、降りた駅を1駅間違っていたことに気付いた。 木村さん、ごめんなさい。 鹿児島で電車になんか乗ったことのない私には田園都市線なのか半蔵門線なのか。 渋谷なのか表参道なのか。 港区なのか渋谷区なのか。 さっぱり分からなかった。 入学してからの気付き(画像はphotoAC) 毎日木村さんにお礼がしたいと思いながら過ごしていたけど、結局会えたことは1度もなかった。 毎年2月になると、木村さんを思い出す。 あなたの「やさしい思い出」、聞かせて! 名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」、あるいは「どんなもんだい!」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。 Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」「親切自慢エピソード」「親切目撃談」などを募集している。 読者投稿フォームもしくは公式X(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのか、どんなことをしてしまい謝りたいのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。 読者投稿フォームから送る 公式XのDMで送る メールで送る (※本コラムでは読者の皆さんに投稿していただいた体験談を紹介しています。プライバシー配慮などのために体験談中の場所や固有名詞等の情報を変更している場合がありますので、あらかじめご了承ください)