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「中年」にスポットライトを当てる――超斬新コンセプトのフリーマガジンが爆誕していた

井上 慧果

井上 慧果

2022.01.03 08:00
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「ポジティブになれるものを作る、ただそれだけ」

そこから、社内のデザイナーなどに声をかけ、5人からなる「中年。」編集部が発足。メンバーのほとんどが中年期だ。

はじめてのフリーマガジン作成に、最初は困難もあった。たとえば、使用する紙ひとつとっても、どんなものを使えばいいか分からず、普段企業のパンフレットなどを制作するときに使用している厚めの上質紙で制作してみたが、想像とは少し違った仕上がりに。そこから試行錯誤を積み重ね、現在の形となった。

「私も含め、みんな本業をこなしながら制作しているので、なかなか思うように進められないというもどかしさもありました。ですが、根本的には普段やっている仕事の延長戦でもあり、デザイナーのメンバーがとてもいいものを作ってくれたので、満足のいく仕上がりになってきていますね」(山荻さん)

山荻さんに、「中年。」を制作する際に、特にこだわっている点を尋ねてみた。返ってきたのは非常にシンプルな答えだった。

「とにかく手に取ってくれた人の気分が明るくなるように、そういうデザインをお願いして、内容もそういうものを選んでいます。ポジティブになれるものを作る、ただそれだけです」(山荻さん)
「明るくなれる」媒体に(画像は編集部撮影)
「明るくなれる」媒体に(画像は編集部撮影)

中年期といえば、健康や仕事、老後や貯金のことなど心配事は尽きない。だが、そういったテーマは「やらない」と決めているのだと、山荻さんは語る。

「フィクションの中でも、なかなか中年っていいことで注目されないじゃないですか。だからこそ、中年にスポットライトを当てていければと思います」

山荻さんは「中年。」の今後について、「設置場所を増やしてもっと色んな人に読んでもらえれば」と希望を語る。中年期真っ只中の人だけではなく、これから中年になるという人も、もう中年と呼ばれる時期は終わったという人も、明るくポジティブでクリエイティブな中年たちに触れて、元気をもらってみては。

なお「中年。」最新号の配布場所は公式ウェブサイト<https://www.ibma.jp/chunen/>に記載されている。バックナンバーもここで閲覧可能。

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