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「中年」にスポットライトを当てる――超斬新コンセプトのフリーマガジンが爆誕していた

井上 慧果

井上 慧果

2022.01.03 08:00
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「自分はここで買っていいのだろうか?」と服屋で悩む中年期

というのも、コロナ禍に自宅で過ごす時間が増えた山荻さんは、そのなかで「フリーペーパー」専門店を紹介するバラエティー番組を見たのだとか。

「今までフリーペーパーというとマネタイズするためのもの、広告収入を得るためのもの、あるいは地域の情報誌、といったイメージがありました。ですが、その専門店、『only free paper TOKYO』(東京都目黒区)には、個人の方が趣味で作ったものや、弊社と同じデザイン会社さんが作っているものなんかも紹介されていて、それがとても面白いと思ったんです」

また、このステイホーム期間中に、彼女はもう一つのことに気付く。

自身が書き溜めていた日記のようなものを見返していたところ、無意識に年齢を重ねている自分を悲観するようなものが、想像以上にあったのだ。

「普段はそんなに思わないんですけど、実は中年期についてネガティブになっている自分もいるんだなと、驚きました。たとえば洋服屋さんに行ったとき、『自分はここで買っていいのだろうか?』と気になってしまったり、よくライブに行くんですが、それについて周りから『若い子ばっかりじゃないの?』と言われたり...そんなことが気になりはじめていたんです」

40代の山荻さんのなかで溜まっていた、そんなモヤモヤとした気持ち。「中年期へのネガティブなイメージを払拭したい」という思いが、フリーペーパーを知ったことと合わさり、「中年。」に繋がった。

また山荻さんは趣味で書いていた自作の詩を発表する場を探しており、それが「連載創作ページ」となっているのだ。

「ポジティブになれるものを作る、ただそれだけ」
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