ちょっとだけ痒かったところに手が届く! 地味に便利な「発明品」7選
電球に自動車にスマートフォン......私たちが普段の生活の中で何気なく使っている物のほとんどは、かつて誰かがひらめき、膨大な試行錯誤を重ねた末に発明したものだ。人類の歴史は、まさに発明の歴史と言っても過言ではないだろう。
しかし、世界や社会に影響を及ぼすほどの大発明だけが発明とは限らない。ごく身近な悩みを解決したり、生活の中にあったらちょっとだけ便利だったりする程度のものだって立派な発明だ。
Jタウンネット編集部は2021年、そんなささやかな発明品を複数紹介してきた。
例えば、ポケットやバッグにお菓子を入れて持ち運ぶ時に便利な、こんなアイテムたちだ。
お菓子を持ち歩くなら必須?
1つ目は、4月17日配信の「これを求めてた...! 『カロリーメイト鞄の中でボロボロ問題』を完全解決するケースが爆誕」という記事から紹介する。
ツイッターユーザーのかにあじさんは、いつも非常食用に持ち歩いているカロリーメイトが、移動中にバッグの中で粉々になってしまうのが悩みだった。
賞味期限が切れるまで、どうやったらブロック状のまま保存できるか......そう考えた結果、「堅牢なケースを作ってみよう」という結論に至ったそうだ。
「ホームセンターで購入した木材を100均の工具で加工して組み立てています。文字だけレーザー彫刻で刻印しています」(かにあじさん)
構想やデザイン決めの期間を含めると、実作業時間は30時間ほどだという力作。その甲斐あって、このケースに入れてからはカロリーメイトが崩れることはすっかりなくなったそうだ。
2つ目は、5月11日に配信した「あらゆる困難から『ルマンド』を守る専用ケースが爆誕 これでもう、砕けない...!」という記事から。こちらも、お菓子がボロボロになるのを防ぐために生み出されたグッズだ。
ブルボン(新潟県柏崎市)から発売されている「ルマンド」は、サクサクした薄いクレープ生地が特徴のお菓子だが、それだけに持ち歩くとかなりの確率で崩れてしまうほど脆い。
ツイッターユーザーのなるみさんも、持ち運ぶ途中でボロボロになってしまったルマンドを見て悲しい思いをしていた愛好家の1人だ。
なんとかしてルマンドをあらゆる衝撃から守ってあげられないか──その一心で作り出したのが、「ルマンド専用ジュラルミンケース」だった。
なお、実際にジュラルミンを使ったわけではなく、素材は百円ショップで購入した、キッチンのコンロ周りの壁に貼る用のアルミシートだという。設計図を書き、それに合わせて切ったり折ったりと非常に細かく、かつ大量の作業が必要で、完成するまでには約15時間かかったそうだ。
「ジュラルミンケースを作るなんて初めてのことだったのでとにかく大変でしたが、本物っぽい高級感を出すために質感などにこだわりました。結果、思っていたよりかっこよくできて感動しました。これでルマンドをどんな困難からも守ってあげられると思います」(なるみさん)
これさえあればバーベキューは完璧!
続いて紹介するのは、バーベキューの時に大活躍しそうな便利グッズ。
屋外で大勢の人が集まって行うバーベキューでは、参加者は焼けた食材をそれぞれの手元にある紙皿に乗せることがほとんどだろう。軽くて後処理も楽だし、まさにうってつけな容器だ。
一方で、軽いから風に飛ばされやすく食材やタレをこぼしてしまう、大人数でのバーベキューでは机の場所を多くとってしまう、といった弱点もある。残念だが、紙皿も万能ではないのである。
そんな課題を解決するべく発明されたのが、5月13日配信の「バーベキュー好きが作った『マイBBQセット』が優秀すぎる 『皿より有利』なダブル紙コップホルダーに『特許取るべき』」という記事で取り上げた、こちらだ。
紙コップ2つと割り箸をまとめて持ち歩けるこのホルダー。バーベキュー好きなツイッターユーザー・HPPSさんが3Dプリンターを使って制作した「マイBBQセット」だ。
HPPSさんは、中の食材がこぼれにくい、机に置いても場所を取りづらい、といった点で、バーベキューでは紙皿よりも紙コップの方が「有利」だと語る。「マイBBQセット」では2つの紙コップがホールドできるので、肉と野菜に分けてもよし、食べ物用と飲み物用に分けてもよしだ。
「3D CAD(編注:三次元モデルを作るツール)でモデリングし、3Dプリンターで出力しました。製作時間は、設計で3時間ぐらい、出力で10時間くらいです」(HPPSさん)
ちなみに、HPPSさんいわく、この「マイBBQセット」はまだ試作段階。バーベキューをする機会があったら使ってみて、実際の使用感を確かめる予定だそうだ。
貼って便利なオリジナルステッカー
持ち歩くのではなく、貼り付けることで効果を発揮する便利アイテムもある。
まずは、8月10日配信の「『われもの』じゃなくて『われのもの』 冷蔵庫の中の『とっておき』に貼りまくりたいステッカーが爆誕」という記事で紹介したこのアイテムだ。
冷蔵庫に入っているプリンに貼られているのは、壊れやすいものに貼る為の「われもの注意」のシール......と思いきや、書かれているのは「われのもの!!注意」の文字。
割れ物であることを知らせるためではなく、「我のもの」であることを主張するためのアイテムというわけだ。たしかに妙なプレッシャーを感じるし、所有者以外の人は手を出しづらいかもしれない。
「ホームセンターで注意表示シール棚を眺めてるときに、脳内で『いろんな注意表示を読んでわざと別の解釈をしてみる遊び』をしてたら思いつきました」(もにゃゐずみさん)
「われのもの!!注意」のステッカーは、もにゃゐずみさんがグラフィックデザインソフト「Adobe illustrator」を使って2日間かけて製作したもの。「!!」のデザインと位置にこだわったという。
「大切なもの、盗られたくないもの、所有感をアピールしたいものなど、汎用性がかなり高いと思うので、自由に使ってもらえればと思います」(もにゃゐずみさん)
2つ目は、自宅のポストに貼り付けて使うこんな画期的なステッカーだ。
ポストに貼られているのは、「ピザ屋以外のチラシ一切お断りします」の文字と、ピザを頬張るクマのキャラクターの絵が描かれた黄色いステッカー。読んで字のごとく、ピザ屋のもの以外のチラシを断るためのものだ。
こちらは、神奈川県相模原市の雑貨店「EVERYDAY SUNDAY」で販売されている「チラシお断りステッカーシリーズ全3種」(税込み各200円)のうちの1種。「ピザ屋以外お断り」のもののほかに、「チラシお断り」「食べ物屋以外のチラシお断り」の2種類がある。
9月9日に配信した「『ピザ屋以外のチラシ』一切お断り! 絶妙に食いしんぼうなステッカーに反響→誕生秘話を聞いた」の記事で、「EVERYDAY SUNDAY」店主は、
「ポストをチェックする度に不動産などまったく興味のないチラシが溜まっているのにうんざりして『チラシお断り』と紙に書いて貼ったらすごく効果がありました。
どうせならもっとかわいく目立つようにと商品化したのですが、よく考えたらピザ屋のチラシは欲しい...と思い、今回の『ピザ屋以外のチラシお断り』ver.を作りました」
と、製作に至った経緯を語っている。
なお、必ずしも効果があるわけではないとのことだが、少なくとも店主自らが自宅のポストに貼ってみた限りでは、本当にピザ屋以外のチラシが来なくなったそうだ。
デスクワークやテレワークの心強い味方
プライベートな時間だけでなく、仕事中にも活躍する便利グッズもある。最後に紹介するのは、デスクワークやテレワーク時に使いたい発明品たちだ。
こちらは、4月22日配信の「『シンプルに便利』『最高に欲しい』 コピー&ペーストだけできる『究極のプログラミングツール』に反響」の記事で紹介した「コピペ専用キーボード」だ。
開発者はツイッターユーザーのHoly Caterさん。通常、マウスやトラックパッドの右クリックで「コピー」して「貼り付け」をするか、あるいは「Ctrl(command)+c」と「Ctrl(command)+v」のショートカットキーを使う「コピー&ペースト」の作業を、この2ボタンで行えるという優れものである。
Holy Caterさんが仕事で使うための「ページ送り、ページ戻し」だけが行えるデバイスを作ろうとネット上で購入した2キーのキーボードを、ページ繰りではなくコピペ用に組み上げたのがこのツール。
使い方もシンプルで、USBケーブルでパソコンと繋げるだけで使用できる。また、コピペ以外にも「ctrl +」などのショートカットを含めた任意の動作を、それぞれのキーに設定・登録することもできるそうだ。
2つ目は、1月22日配信の記事「オンライン会議中の『不幸な事故』を未然に防ぐ神デバイスが発明される」で取り上げた便利ツール。
「discord」(オンライン通話用アプリ)を使って仲間や友人と通話することが多いというツイッターユーザーのみゅ~まさん。家族が部屋に入ってくるたび自分で「discord」の音声をミュートにしなければいけないのを不便に思っていた時、「(ミュートが)自動でできたら面白いんじゃないか」とひらめいた。
そうして発明したのが、自室のドアが開いた瞬間に「discord」のマイクが自動でミュートになるBluetoothデバイスだという。これなら、家族が入室するたびにいちいち手動で操作する必要もなくてらくちんだ。普段の通話だけでなく、オンライン会議などのフォーマルな場面でも活躍しそうだ。
「部品点数も少ないですし自分も思いついてから30分ほどで作れたので、はんだ付けなど少し電子工作の知識は必要ですが、誰でも作れると思います」(みゅ~まさん)
2021年の記事の中からピックアップした7種の「発明品」。皆さんは、どの便利グッズが欲しいと思っただろうか。
もし、紹介した7つの中に「こういうのが欲しかった!」というものがなかった人は、いっそのこと自分で自分の欲しい便利グッズを発明してしまうのもいいかもしれない。