「雨のバス停で、熱を出した息子を抱く私。タクシーに乗るか悩んでいると、隣のおばさんが手をあげて...」(神奈川県・40代女性)
2021.11.18 11:00
次のバスは30分後
私が27歳で、息子がまだ7か月だった頃の事です。雨の降る真冬のある日、もう陽も暮れた夕方に息子に熱があることに気が付きました。
慣れない子育てに何が起きても四苦八苦していた頃で、私はすぐに病院へ。
病院で薬をもらい、さあ帰ろうと真っ暗な外へ出てバス停へ向かいましたが、あいにくバスは出発したばかりで次の便が来るまでは30分以上かかる様子。
凍えるような冷たい雨の中、私は元気のない息子を抱えて途方に暮れておりました。
「タクシーを拾おうか。でもお金がかかるし、どうしようか」
そう考えていたところで、ちょうど向こうからタクシーが来ましたが、それでもまだ私は決断できずにいました。
すると、私の隣で同じくバスを待っていた50代くらいの女性がスッと手を挙げたんです。
「あ......先を越されてしまった」
私はそんなことを思いました。