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バスが密なら自転車に乗ればいいじゃない! 丹波篠山を味わい尽くす「サイクルツーリズム」体験してきた

大久保 歩

大久保 歩

2021.11.13 08:00
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自家牧場のイノシシを使った「ぼたん鍋」でほっこり

窯元横丁をじっくり眺めながらまわると、すっかり日が暮れてしまった。そろそろお腹が空いてくる頃。

観光協会の今井さんがおすすめする店で、名物の「ぼたん鍋」(イノシシの肉を使った鍋)をいただくことに。

ひっそりと佇む、趣のある店舗

篠山口駅から車で15分。藤岡ダム近くの、やや奥まった場所に「奥栄」はある。

テーブル席もあったが、今回は雰囲気たっぷりのお座敷を選んだ。

囲炉裏を囲めば、雨で冷えた体もほっこり

さっそく、鍋の具材が運ばれてくる。長ネギや白菜の他、こんにゃく、しいたけ、焼き豆腐、そしてぼたん鍋には付き物だという、ごぼう。なんと、秋から春の間に提供される野菜は全て自家栽培だ。

まるでボタンの花...!

そして、主役の猪肉は見事なボタンの花のように盛り付けられている。1枚1枚が丸くカットされているのが面白い。

猪肉には、自家牧場で育てたイノシシの他、篠山の猟友会が仕留めたイノシシを使っている。

「おいしいだけでなく、害獣対策にもなるんですよ」

と、今井さん。

最初は、鍋ではなく焼肉にして、初めての猪肉を味わった。

ジュージュー焼ける音がたまらない...!

非常にサッパリしていて、予想よりもずっとクセがない。もっと獣くさいものと思っていた。

適度に歯ごたえがありつつもジューシーで柔らかく、塩コショウのみの味付けが素材の良さを引き立てている。タレなど余計なものはいらない、肉の質で勝負する、という店の気構えが伝わってくるようだ。

みその香りがたまらない

みその良い香りが漂うつゆに、猪肉と野菜類を投入。提供される猪肉は脂肪が多い順にロース、バラ、うでの3種があり、脂身の大きさで見分けられるとのこと。

十分に煮えるのを待つ間、今井さんが興味深い話をしてくれた。

「市内の小学校では、『ふるさとメニュー』のような扱いで給食に年に2、3回ほどぼたん鍋が出るんです。すごく人気メニューですよ」
「しかも、ぼたん鍋は給食甲子園で優勝したこともあります」

「全国学校給食甲子園」とは、地域の食材を使った学校給食の献立を競う大会で、06年から毎年開催されている。19年開催の第14回大会では、丹波篠山市立「西部学校給食センター」が優勝を勝ち取っている。

その献立には、「丹波篠山黒豆ごはん」や「寒ざわらのデカンショねぎソース」などと並び、「天内いも入り 根菜ぼたん汁」が。

給食にも登場するということは、地元の人にとってぼたん鍋は定番メニューなのだろうか。

「地元でも、ぼたん鍋はお祝い事とかちょっと特別なときに食べます。だいたい、近所に猪肉の専門店があるので、そこでお肉を買って作りますね」(今井さん)

ちなみに、「奥栄」のぼたん鍋は、1人前で5500円(税込み)。「めでたいことがあったから、奮発するぞ!」という感じだろうか。

よく煮込まれた鍋にいよいよ箸をつける。ビールにもよく合い、囲炉裏を囲んで炭がパチパチ爆ぜる音を聞きながら食べるぼたん鍋は、最高だった。

シメは、卵と鍋のつゆをご飯にのせるのが「奥栄」流!
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