「電車の中で、だんだん暗くなる視界。側に座っていた若い男が、私のマフラーに手をかけて...」(都道府県不明、40代男性)
10歳は年下に見えるのに
15年前の話です。真冬に、1週間の出張から帰宅すべく空港から電車に乗り、ドア付近に立っていました。
しばらくすると、なんとなく腹痛のような気持ち悪さを感じ、だんだん視界が暗くなってきました。これは貧血かと思い、なんとか倒れまいとするもののガクっと座り込んだ形に。
すると、すぐ隣に座っていた学生風の男の子が、私に声をかけてきたのです。
「どうしました?大丈夫ですか?」
彼はそう言いながら私のマフラーとネクタイを緩めると、「ここ座ってください」と、私を抱えて自分の席に座らせてくれました。
小さな声でお礼を言うのが精一杯で、座ってからも暑くもないのに汗がダラダラ出てきて、顔もおそらく蒼白だったのだと思います。