当たり前すぎることを「ビジネス書の表紙風」にしてみたら... 謎の説得力に「買ってしまいそうで怖い」
すごく意味ありげに、当たり前のことを言っている......。
そんな「架空のビジネス書」の表紙デザインがツイッターで話題となっている。
例えば、これだ。
これは「パワポ芸人」として、プレゼンテーションソフト「パワーポイント」様々なイメージ画像を作成・発信しているツイッターユーザーのトヨマネ(@toyomane)さんが2021年10月10日、
「めちゃくちゃ当たり前なことを言っている架空のビジネス書をパワポでデザインしました」
とコメントを添えて投稿した画像の内の1枚。
紺色の背景に大きな文字、そして名言が書かれている風の帯がいかにもビジネス書風の説得力を醸し出している。
「今すぐやめるシリーズ」「仕事ができるビジネスマンの基本」というのも、それっぽい。しかし、タイトルは、
「犯罪行為なんか今すぐやめなさい!」
あまりにも当たり前だ......。
「買ってしまいそうで怖い」
トヨマネさんはこんな表紙デザインも投稿している。
こちらは「割合がどんどんわかる魔法のメソッド」の架空ビジネス書のようだ。
著者は「犯罪行為なんか今すぐやめなさい!」と同じ、中前太(あたり・まえた)氏で、タイトルは「割合は90%が9割」。
ただの、事実である。
しかし、帯に大きく書かれた謎の人物の推薦文や「100万部突破」という文字の影響で、なんだかためになりそうな錯覚を起こしてしまう。
よく見れば部数は「100万部突破したい」という願望だし、推薦文を書いているのもエラオジ商事の「えらい・ひとし」氏というよく分からないがただ偉そうな感じの人というだけだった......。
トヨマネさんはこれらの他に、「おなかが空いた時はごはんを食べなさい」や「1年後の私たちが体験する、確実な未来 2022」など、当たり前すぎることをビジネス書の表紙風にデザインしたスライドをあわせて投稿。11日夕現在で8万8000件を超えるいいねを集めている。
ツイートには、こんな声が寄せられていた。
「すごい!!本当にビジネス書に見えます!!絶対買っちゃいます」
「買ってしまいそうで怖い」
「思わずAmazonで調べそうになりました」
「どれもこれも面白そう」
「一定のフォーマットを抽出できそうだな...と感じた」
Jタウンネット記者は11日、作者のトヨマネさんにこの架空ビジネス書について詳しく話を聞いた。
トヨマネさんは、普段からあらゆるものをパワポツイートのネタにできないか、考えながら眺めているそう。
Jタウンネットでもこれまで、「知り合いの犬をヨシヨシする時にいつも思っていること」や「舌が肥えている人・肥えていない人」などをパワポで表現した投稿を紹介してきた。
今回の架空ビジネス書のアイデアが誕生した経緯を、トヨマネさんはこう語る。
「先日たまたま書店を訪れた際に、ビジネス書は似通ったデザインやコピーが多く、一定のフォーマットを抽出できそうだな...と感じたのがきっかけです。
一般的に『役に立ちそう』な本が多いので、真逆の『全く役に立たなさそう』な本があったらおもしろいな、と思って内容を考えました」
それぞれのデザインのこだわりは、著者名や帯の文言など、細かい部分に小ネタを仕込んでいるところだそう。ではユニークで、かつ「ありそう」なタイトルはどのようにして考えたのだろう。
「まずは、『ビジネス書あるある』を考えました。『○○が9割』『○○しなさい』『メソッド』『偉い人の推薦』などといったよく見かける要素を使って、至極当然のことを言うにはどうすればいいかな...と考えた結果があれです」(トヨマネさん)
今回、ツイッター上で大きく注目を集めた「至極当然のこと」をデザインした架空ビジネス書の表紙。こういった反響に対して、トヨマネさんは
「突拍子もなタイトルですが、一瞬ありそうだな...と思えるところが大きな反響をいただけた理由かなと思っています。こんなビジネス書が実在したら絶対に買わない方がいいですが、ためになるビジネス書も世の中にはたくさんあります!」
とコメントした。
ところで、トヨマネさんは自身のアカウントで「秒で伝わるパワポ術」(KADOKAWA)という表紙も紹介している。 これは、SNSでたびたび注目を集めてきたトヨマネさんが、スライド作成のコツを紹介したもの。
9月に出版されたトヨマネさんの本当の著作なので、「これも架空表紙かな」と勘違いしないよう、お気をつけて。