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富山湾で「オサガメ」捕獲 なぜこんなところに?専門家に聞くと、カワイイ理由が判明

松葉 純一

松葉 純一

2021.10.02 08:00
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北陸地方北東部に位置する富山湾は、獲れる魚の種類が多いため、「天然のいけす」とも呼ばれている。

その富山湾から、2021年9月30日、次のような動画付きのツイートが投稿され、いま話題となっている。

約1分の動画には、大きなカメが捉えられているようだ。「水面でバタバタしてたからてっきりウミガメかなと思ったらオサガメじゃないか」というコメントが添えられている。

いくら「天然のいけす」といっても、オサガメが定置網にかかることは珍しいようだ。「嘘だろ...ここ富山湾だぞ...」「甲羅の形もカッコいいしまるでガメラだ...。本当に感動をありがとう」と付け加えられている。

たっきぃ(@LXHv61dH43nmqrT)さんが投稿したツイートには、1万8000件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散中だ(10月1日現在)。

ツイッターにはこんな声が寄せられている。

「甲羅かっこいー! 」
「かっこいい亀! オサガメっ名前なんですね。初めて見ました!!」
「甲羅のデザインがめちゃくちゃ空飛びそうなやつなのすき」
「すごい!オサガメが! やっぱり海流も変化してるのか」

オサガメとは? なぜ富山湾で発見されたのか?

Jタウンネット記者は、投稿者「たっきぃ」さんと、日本ウミガメ協会事務局に取材した。

オサガメが富山湾に来たのは、クラゲのため?

たっきぃ(@LXHv61dH43nmqrT)さんのツイートより

富山で漁師をしているという「たっきぃ」さんが、オサガメを発見したのは9月30日朝8時頃だったという。場所は、富山湾沖合の定置網の中だ。大きさを聞くと......

「計測はしてませんが網から逃す時は重くて大変だったことと大きさは大人の人と同じぐらいでしたので1メートル70センチぐらいかと」(「たっきぃ」さん)

オサガメは太平洋・インド洋・大西洋の熱帯から亜熱帯の海に住む、ウミガメの中で最大の大きさの種だ。甲羅は発達せず、皮膚で覆われているため、英語では「Leatherback Turtle」と呼ばれているという。背甲に7本の筋状の盛りあがり(キール)があるのが特徴だ。普通のカメの外観とは異なる外観で、それが「かっこいい」と人気となっている理由だろう。「ガメラ」と似ているという説もあった。

たっきぃ(@LXHv61dH43nmqrT)さんのツイートより

投稿者「たっきぃ」さんは、「多くの人が、日本海にオサガメが来たことに驚いてるので、やはりありえないことなんだな」と語る。ツイッターの反響の中にもこんな声があった。

「富山湾に亀が迷いこむ事なんてあるんですねぇ」
「オサガメが富山湾に来たってことはやっぱ凄いことなんですよね......。話によると何年前かにもウミガメは入ったことはあったんですけど、オサガメはおそらくこれで初めてですね」

そこで、Jタウンネット記者は、日本ウミガメ協会事務局に電話で聞いてみた。取材に応じたのは、事務局長の松宮賢祐さんだった。

食いしん坊のオサガメが来た?

たっきぃ(@LXHv61dH43nmqrT)さんのツイートより
「日本近海でオサガメが発見されることは珍しいことで、毎年数例しかないでしょう。
ただオサガメはクラゲを捕食するので、クラゲを追いかけて日本海に侵入することは考えられます。過去にも、クラゲが大量発生した年に、オサガメが網にかかったことがあると聞いています」(日本ウミガメ協会・松宮事務局長)

富山湾でオサガメが発見された原因は、餌となるクラゲということらしい。どうやら食いしん坊のオサガメは、クラゲを追いかけて、富山湾に紛れ込んだようだ。

ところで「たっきぃ」さんは、こんなツイートも投稿している。

「ちゃんと逃しました」「気に泳いでいったから良かった」ということだ。今頃は、富山湾のクラゲを堪能していることだろう。

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