地元企業の社長が手取り足取り全力サポート 「住みたい田舎NO.1」愛媛・西条市の心強すぎる「移住の味方」
ツリーハウスから登場した笑顔の男性の正体は
愛媛県西条市――。松山空港から車で約1時間。北は瀬戸内海に面し、南には西日本最高峰の石鎚山がそびえ立っている。
その山麓の丹原(たんばら)地区に、PENTA FARMはある。
西条市内のなかでも自然豊かな地域だ。地元農家8組で運営される「丹原もぎたて倶楽部」という観光農園があり、各農家はそれぞれの農地でぶどうや柿、ミカン、イチジクなどを栽培。
PENTA FARMは果物狩りに訪れる観光客の窓口となっている。
いったい、この企業が「移住者のサポート」とどんな関係を持っているのだろうか。
そんなことを考えながら、歩いていると......。
大きな樹木から「こんにちは」という声。笑顔が素敵な男性がこちらを覗いていた。
――PENTA FARM代表取締役の山内政志さん(62)である。
「このツリーハウスとかブランコとか、全部私が作ったんですよ!子どもが喜ぶんです」
生まれも育ちも西条市の山内さん。DIYのノウハウは、高校卒業後に鉄工所で働いていた際に学んだらしい。これから筆者は、DIYのスペシャリストに取材する......わけではない。
山内さんは、農家だった父親の影響で観光農園をスタート。12年4月にはPENTA FARMを立ち上げ、現在は他の観光農園と連携して市内に季節のフルーツを使ったカフェを出店するほか、キッチンカーを使ったスイーツやフードの販売、観光農園や地元の農作物のPR......と、なんでもやっちゃう社長さんなのだ。
事業の取り組みの一つとして請け負っているのが、移住相談や移住希望者へのサポート。はてさて、何をしているのだろう。
「果物を作りたい、そんな漠然としたイメージを持った人に、どんなことをしたいのか具体的にお聞きします」
なるほど。でも、ちょっと待った。
そもそも、農業をしたいと思った人は、どうやってPENTA FARMまでたどり着くのだろうか。
その多くは、西条市の移住推進課の紹介で訪れるという。「農業をしたい」と検討している移住希望者がいれば、移住推進課が「米農家なら〇〇、野菜農家なら〇〇、果物に興味があるなら......」とピックアップし、その場所に連れて来るのである。