人工知能は「長年の経験と勘」の代わりになるか? レモンの名産地・広島で、未来を変える挑戦
2021.08.25 12:00
提供元:広島県
実用性への意識が、本当に役立つモノを生む
優勝者である米田さんの作成した「AI予測モデル」は、70%を超える精度に到達した。そして、運営側による追加検証でも、同程度かそれ以上の精度が出ることもわかっている。実用化に向けて、一歩近づいたといえそうだ。
SIGNATE・高田さんは「重要なのは現場で本当に役立つかどうか」だとして、レモンコンペの成果には手ごたえを感じている。
「現場では当然、初めて(コンピューターに)見せる画像に対して、精度よく予測できるかが大切です。米田さんほか入賞者のみなさんは、それぞれの観点で実用性を強く意識して、モデル作成に挑戦されていました。それが、入賞という結果にもつながったと思います」(高田さん)
広島県商工労働局イノベーション推進チームの平河直也さんも、データサイエンティストの育成に注力する広島県として胸を張れる今回の成果を喜んでいた。
「ひろしまQuestのカリキュラムは現在、広島工業大学で必修として利用されるなどの動きもあります。
さらに今年度、新たな試みとしてコミュニケツール『Slack』内に、会員同士が学び合える『sunaba』というコミュニティーを開設しました。若い人はもちろん、AIを学びたい人の学習の場として活用してほしい」(平河さん)
思いをもって誰かが始めたことは、必ず誰かが気づいて、つながりをつくる――。
広島県・大崎下島のレモン生産の現場では、人の気持ちの輪が連なって、イノベーションが起きようとしている。
<企画編集・Jタウンネット>