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人工知能は「長年の経験と勘」の代わりになるか? レモンの名産地・広島で、未来を変える挑戦

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2021.08.25 12:00
提供元:広島県

思いつきやひらめきは、手を動かしてやってみる!

今回のコンペで具体的に求められていたのは、レモンの4つの等級――「優良」「良」「加工」「規格外」を自動で判断できる「AI予測モデル」をつくることだ。奮い立つ思いで参加した米田さんだったが、開発プロセスでは地道な作業が続く。

「まずはシンプルなアプローチでモデルを投稿しましたが、サイト上に表示される精度や参加者内での順位は、全然でした(苦笑)。
そこで、自分なりにどんな工夫ができるか。どうしたらスコアが伸びるか。仮説を立てながら作業していくのです」(米田さん)

米田さんの工夫のひとつは、画像に対してエフェクトをかけたこと。データ拡張と呼ばれる手法だ。

プログラミングで指示を出し、与えられたレモンの画像に、左右反転や回転を加えたり、明度や彩度を変更したり、背景を削除してレモンだけを切り抜いたりする。こうして加工した画像が、等級判定に役立つのだ。

レモンコンペ専用サイト。投稿はここから。「リーダーボード」には順位や評価が表示される
レモンコンペ専用サイト。投稿はここから。「リーダーボード」には順位や評価が表示される
「代表的な手法をひたすら試しました。しらみつぶし作戦です。
だいたい30種類くらい、1つあたり1~2時間かかります。ひとつひとつ調べて、予測精度の変化を検証し、コンピューター(プログラム)がレモンの等級を自動で判断するポイントをつかまえるのに、効果的な画像処理は何かを探りました。
また、これとは別にもうひとつ、専門的には『回帰』と呼ばれる、数値の傾向に注目したアプローチも取り入れています」(米田さん)

自分ならではの工夫を考えることは「AI予測モデル」開発の面白さでもある。そして、米田さんはデータサイエンティストとして、こんな信念を抱いている。

「思いつきやひらめきは、先入観なく、手を動かして試すようにしています。やってみると、やっぱりダメだったり、意外とうまくいったり......その繰り返しですね。
思うような結果がすぐに出なくても、試行錯誤によって最適解に一歩ずつ近づいていく気がします。だから、何事も決めつけないでやってみる――そんな姿勢を大事にしています」(米田さん)
実用性への意識が、本当に役立つモノを生む
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