「ベルリンオリンピックの実況放送」もコレクション 様々なレコードを「自由にさわれる」博物館が楽しそう
特徴は「自由にさわれる」こと
いま同館には、栗原氏が持参したもの以外にも多くのレコードが所蔵されている。
「放送局でもデジタル化が進んでいるようですね。長崎の某放送局からは約3万枚のLPレコードをいただきました。他にも、九州各地の放送局からLPレコードの寄贈を受けました。個人の音楽愛好家からも、生前贈与というのですか、ご寄贈いただくことも増えてきました」(中村館長)
「音浴博物館」の特長の一つは、「レコードに自由にさわれることじゃないでしょうか」と中村館長は語る。
「レコードプレーヤーが5か所に置かれていますので、当時に近い音で楽しんでいただけます」(中村館長)
5種類のオーディオシステムをチョイスして、お気に入りのレコードを聴き比べることも可能なのだ。「過去には、レッド・ツェッペリンやピンク・フロイドを大音響で聴くといった試みも行いまして、大盛況でした」と、中村館長は満足気に語る。
騒音などの苦情が入る心配はまったくないロケーションも魅力の一つだ。立地は、長崎市と佐世保市の中間ぐらいというが、「まったくの僻地ですから」とのこと。
エルヴィス・プレスリーやビートルズ、ブルーノート、映画音楽など、同館のコレクションを使った、様々なテーマの「レコード・コンサート」も開催されている。地元・長崎のアーティスト、さだまさしさんにちなんだ「精霊流し」特集も好評だったという。
「音浴博物館」に常駐するのは3人。「自由にさわれる」のが魅力とはいっても、アナログのオーディオシステムを操作するのはなかなかハードルが高い、という人は多いだろう。そんな時は、「常駐する館員に遠慮なくオペレートを依頼していただきたい」と中村館長。なんとも心強い。
来場者の数は、土日祝日は30人から40人程度、平日なら1日10数人だという。入館料は一般750円。
エントランスではコーヒーやラムネの販売はしているが、食べ物はない。近隣にも食事ができる施設はないそうだ。
館内での飲食は可能だから、長時間滞在したい人は、おにぎりやサンドイッチ、お弁当など持参の方が安心かもしれない。もちろん、他の客への配慮をお忘れなく。