「ベルリンオリンピックの実況放送」もコレクション 様々なレコードを「自由にさわれる」博物館が楽しそう
2021.08.04 11:00
落語に長唄、歌謡曲にクラシック、そして...
Jタウンネット記者の電話取材に応じたのは、「音浴博物館」の中村昌彦館長だった。
「当館にはLPレコード15万枚、SPレコード5万枚が所蔵されており、その一部を展示・公開しております」
説明を聞いていると、「ところでSPレコードをご存知ですか?」と、中村館長から質問が飛んだ。
「LPレコードより小さくて、1曲か2曲しか入ってないヤツですよね?」とJタウンネット記者が答えると、
「それはドーナツ盤とかシングルレコードと呼ばれたものです。 SPレコードは、別名78、シェラック盤とも呼ばれ、主に鉄針や竹針を使い、手回し、ゼンマイ式の蓄音機または初期の電蓄で再生するものです。日本では昭和35年まで製造されていました」(中村館長)
さっそく無知をさらけ出してしまった。
SPレコードは「standard playing」の略で、LPレコード登場以前の蓄音機用レコードの総称だという。
「当館のコレクはションの中には、浪曲、長唄、落語など、大正時代から昭和にかけてのものが多く、歌謡曲、童謡、クラシックなど、バリエーションに富んでいます。なかには1936年のベルリンオリンピック実況放送が収録されたものもあります」(中村館長)
「音浴博物館」は長崎県西海市大瀬戸町にある。
かつてここに存在した小学校分校施設に、2001年、岡山県倉敷市から約5万枚のレコード持参で移り住んだのが、創立者の故・栗原榮一朗氏だった。
04年、農水省の「やすらぎ交流拠点事業」補助金でリニューアル。栗原氏を中心に設立した「推敲の森実行委員会」が指定管理方式で管理・運営を受託し、現在に至る。