愛煙家が探し求める喫煙所、メチャ簡単に見つかるじゃん! 超便利なMAP片手に秋葉原を歩いてみた
たばこを吸える場所が少なくなっている。
2020年4月1日に施行された改正健康増進法により、屋内での喫煙は原則NGに。全国の喫煙者は、外出先で喫煙スポットを探すのに苦労していることだろう。
その手間を惜しんで、路上や喫煙禁止の駐車場でプカプカ。マナー違反者の実態を、Jタウンネットでは「秋葉原の駐車場が『無法地帯』化 横行するたばこのポイ捨てに千代田区『吸い殻持ち帰る習慣が無い喫煙者が...』」(21年5月25日付)という記事内で取り上げた。
秋葉原のある駐車場で、たばこの吸い殻をポイ捨てする人が後を絶たないのだ。
記事には、非喫煙者からも、マナーを守っている喫煙者からも、怒りの声が多く届いた。ただネット上には「秋葉原って、喫煙スペースが少ない」といった意見もちらほらあがっている。
本当に少ない?疑問を抱いた愛煙家の筆者は、ネット上で閲覧できる喫煙所マップを元に、秋葉原を探索してみた。
喫煙所をらくらく検索、そしてプカー
日本全国の喫煙スペースをまとめているサイトがある。
日本たばこ産業(JT)が20年3月にサービスを開始した「CLUB JT」内にある「喫煙所MAP」だ。
これを利用すると、位置情報から現在地周辺の喫煙所や喫煙可能な飲食店などを探すことができる。
21年6月中旬、愛煙家の筆者はスマホを持って、JR秋葉原駅に降り立たった。
ここは電気街口。さっそく駅前で、喫煙所MAPを開いてみた。
写真左が、喫煙所MAPを開いたときのスマホの画面だ。ご覧の通り、グーグルマップ上に、沢山のアイコンが表示されている。黄色が「居酒屋」で、茶色は「カフェ」、赤色は「レストラン」。アイコンにはコップやたばこのデザインが描かれているため、目で見てわかりやすい。
コーヒーなんかなしで、いますぐたばこだけ吸いたいんだ!と思ったら、絞り込み検索もできる。写真右は、「一般喫煙所」のみを表示した画面だ。
試しに緑色のアイコンをクリックすると、喫煙所の名前が出てくる。ちょっと、向かってみよう。
JR秋葉原駅・中央改札口の横にある、千代田区が運営する有料トイレ「オアシス@akiba」だ。
路上喫煙を減少させることを目的とした無料の喫煙所も設置されていて、加熱式たばこのほかに、紙巻たばこも吸うことができる。
オアシス@akibaに到着。喫煙所内には灰皿がいくつも設置され、昼休み中のサラリーマンが何人かいた。
一服しながら、喫煙所MAPを再度開くと、この周辺にある喫煙所が表示された。近くの駐輪場にも、喫煙所があるようだ。
マップの中央にある太い黄色線(上野線)付近に、「秋葉原駅東口第1自転車駐車場」がある。
万世橋近くの高架線下(秋葉原駅前南通り)には、IQOSルームが併設された「ミマツたばこ」があった。
では、「あの」スポット付近はどうだろう。
筆者は、JR秋葉原駅電気街口を抜けた先にある高層ビル「UDX」方面に向かった。吸い殻のポイ捨てが問題になった場所は、この近くにある。
喫煙所が見当たらないなら、カフェはどう?
ここは、ポイ捨て問題が現在も起きているUDX近くのパーキングエリア。
たしかに、付近には、一般喫煙所のマークはほとんどないが......。
徒歩7~8分の場所に芳林公園があって、園外に喫煙ブースが設けられている。
ちょっと足を運ぶには、遠い?
そう思ったら、一般喫煙所ではなく「カフェ」で絞り込み検索をしてみればいい。
例のパーキングエリアの目の前には、カフェチェーン「タリーズコーヒー」があることが判明。みんな、ここで吸えばいいじゃない......。
こちらの店舗には喫煙ブースが設けられ、紙巻も加熱式たばこも吸える。
吸い殻をポイ捨てしないで、30秒程度歩いてみてはいかがだろう。
さて、秋葉原には、それなりに喫煙所や喫煙ブースが設けられたカフェがあることがわかった。100個も200個もあるわけではないが、徒歩圏内に十分な数はある。
喫煙所を探しさまよう「難民」にうってつけの喫煙所MAPは、サービス開始から21年3月で1周年を迎えた。掲載スポット数は、全国で9万件に上る(6月時点)。
なぜこのサービスを提供しようと思ったのか。JTのデジタルマーケティング推進部で、喫煙所マップの運営を担当する見田亮介さんに聞いてみた。
今後の展望は...?
見田さんは、「喫煙所MAP」開発のきっかけや狙いを、
「2020年4月の健康増進法の改正により、飲食店を中心に吸える場所が減少することは想定していました。そうなると、喫煙者が困ることもあります。
JTとして保持、収集した喫煙可能スポットをオンラインでお伝え出来れば、喫煙者の困りごと解消に貢献できるのではと考え開発を始めました。また、所定の場所でたばこを吸うことで、歩きたばこやポイ捨ての減少にもつながればと考えています」
と説明。喫煙所MAPは、JT独自のスポット情報収集に加えて、口コミグルメサイト「Retty」などからの情報提供や利用ユーザーからの投稿情報を元に、喫煙スポットの新規追加や削除などの更新を随時行っている。
新型コロナウイルスの影響で閉鎖された喫煙所は少なくないが、ユーザーからの情報提供のほか、全国の従業員の確認によって対応しているという。
サービスを開始した20年3月時点で、掲載数は全国で約6万件(一般喫煙所のほか、カフェ、居酒屋などを含めた数)。
4月に施行された改正健康増進法により飲食店を中心に喫煙できる店が減り、一時は約4万3000件まで掲載数は落ち込んだ。その半年後の10月には利用ユーザーから寄せられた喫煙スポットの情報などを追加し、約6万9000件に。21年6月時点で約9万1000件となっているという。
見田さんは、喫煙所MAPのさらなる「認知獲得」を目指していると話す。
「喫煙所MAPがあることで、『吸う場所に困らなかった』『ポイ捨てを防げた』というケースを増やせるよう、より多くの喫煙者の方に知っていただきたいです。
ただ、『使えないもの』であれば、認知いただいても意味がないので、スポットの数や精度、使いやすさなどを実現し、そのクオリティを高めることが本質と考えています」
また「喫煙スポットを探している方が多いがその数が少ないエリア」を位置情報から特定し、「効率的な喫煙スポットを創出していきたい」とも述べた。
外出先や旅先で、たばこを吸いたい。でも見当たらないなと思ったら、まず喫煙所MAPで検索してみるといいかもしれない。くれぐれもポイ捨てなんてしないように!