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海自と空自のトップがまさかの煽り合い ガチすぎる料理対決が話題に→なぜここまで?広報に聞くと...

井上 慧果

井上 慧果

2020.11.08 08:00
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海上自衛隊VS航空自衛隊――

そんな対決を告知するポスターが話題となっている。

空と海の平和を守る自衛隊のバトルとなれば何やら穏やかではないが、いったいどういうことなのか。

まずは実際のポスターをご覧いただこう。

これは熱い戦いだ...!(画像は公式ツイッターより)
これは熱い戦いだ...!(画像は公式ツイッターより)

赤字で大きく書かれた「VS」の文字。気になる対決の内容は

「海自カレーVS空自空上げ」

カレーとからあげ......。

どうやら、それぞれの隊を代表する料理でバトルをするようだ。

「めちゃくちゃ偉い人なのに草」

このポスターは、海上自衛隊と航空自衛隊の公式ツイッターが2020年10月29日に投稿したもの。ポスターでは海自・空自の両幕僚長が、

「空自さん 負ける気がしない」(山村浩海将)
「もうカレーの時代は終わった 海自さん」(井筒俊司空将)

と互いを煽り合っている。

また、それぞれの公式サイトを見てみると、海上自衛隊の山村海将は「最近の活動状況の紹介」の中で

「最近、航空幕僚長の井筒空将が、海自カレーに対抗して、空自空上げを立ち上げたようです。海上自衛隊としては、これを暖かく見守るべきか思案しているところです(笑)」

とコメントを掲載。一方で航空自衛隊の井筒空将もサイト上で、

「海上幕僚長の山村海将が、『海自カレーに対抗した空自空上げの立ち上げについて、海上自衛隊としてこれを暖かく見守るべきか思案している。』と伺いました。正々堂々と挑んでいきたいと考えていますので、どうぞお手合わせのほど、よろしくお願いします」

と反撃している。

こうした両幕僚長のコメントやポスターの内容に、ツイッターでは、

「何をやっているんだwwwwww」
「海自カレーに空上げを入れたら最強になる気がする」
「幕僚長めちゃくちゃ偉い人なのに草」

といった反応が寄せられている。

それにしても、この海VS空の定番メニュー対決はどういった経緯で始まったのだろうか。

Jタウンネットは海上幕僚監部と航空幕僚監部の広報を取材し、6日、両広報合同の回答を得た。

対決を始めた理由は...

まず、今回の対決を実施した経緯について尋ねると...。

「海上自衛隊及び航空自衛隊の広報の一環として、『海自カレー』及び『空自空上げ』をアピールし、それぞれにある多くのレシピを各ご家庭で調理し、召し上がっていただくことで、『海自カレー』及び『空自空上げ』をより多くの国民の皆様に知っていただき、海上及び航空自衛隊に対して親近感を持っていただければという願いを込めて始めました」

また、幕僚長が登場するポスターについては、

「『海自カレー』及び『空自空上げ』をより多くの国民の皆様に知っていただくために、組織のTOP自らが一翼を担ったポスターを作成し、公式SNSで配信することとしました」

とした。

ここで改めて今回対決している「海自カレー」と「空自空上げ」について詳しく聞いてみた。

まずは、一般的にも有名であろう海自カレー。

これは明治初頭、慢性的な栄養不足に悩まされていたという帝国海軍が、イギリス海軍で採用されていたカレーを採用したことから現在まで続いているという歴史あるメニューだ。

海上幕僚監部の広報担当者は、

「(カレーは)『栄養豊富』、『大量調理が容易』、『美味』と三拍子揃った大変優秀なレシピでした。特に、スパイスを贅沢に使用したカレーは、医学的見地からも有用なレシピといえ『寒さ暑さに対する適応力の向上』、『新陳代謝の促進』などの健康効果が期待できました。
このように兵食改革の一環として、カレーが広く普及して食べられるようになっていきました」

と説明する。また、現在の海自カレーについては

「海自カレーは各部隊において独自のレシピがあります。味付けやアレンジについては、各部隊においてカレーを調理する調理員が適宜決めております」

とのことだ。

対決の行方はどうなるの?広報に聞くと...

一方で「空自空上げ」、これはあまりよく知らないという人もいるのではないか。

かくいう筆者もその一人だった。この空自空上げが採用されたのは2017年度のこと。

「海上自衛隊の食文化、定番料理に『カレー』があるように、航空自衛隊においても定番料理を決め、空自に定着を図り、隊員の食に対する意識と関心を高めること」

を目的に検討された新しい定番メニューだそう。

「魅力ある献立として、低価格で隊員の嗜好が高く、調理バリエーションが豊富で高い栄養価、運動機能向上及び疲労回復に資する成分を含む食材」

として、「鶏の唐揚げ」に決まったと航空幕僚監部の広報担当者は説明する。

また、名前の由来については

「鳥は空を飛ぶイメージ、空自全体でより上を目指すとする意味を込めて『空自空上げ(くうじからあげ)』と呼称しています」

とのこと。

空自の食文化(定番料理)として定着させるため、海自カレーと同じく各基地等で地域の名産、地元の食材を使用した特色あるレシピを作っているそう。調理担当者、献立担当者、そして食べた人たちの意見を踏まえ、適宜改良や新作の開発を行っているという。

また、毎月末金曜日は「空自空上げの日」として、全国の基地等の昼食で空自空上げを提供しているとのこと。担当者は

「金曜日なのは海自に対抗してではなく、『フライ(揚げる)デー』だからです(笑)」

と茶目っ気のある理由を明かした。

どちらも魅力的な「海自カレー」と「空自空上げ」。今後、この対決はどうなっていくのだろうか。その点を尋ねると...

「今後の進展については、ご期待ください」

との回答が。これからも目が離せないバトルになりそうだ。

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