マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界 第二十九回 東洋水産「マルちゃん 富士宮やきそば」 文・写真:オサーンカップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」をレビューする連載の第二十九回目となる今回は、東洋水産から発売されている「マルちゃん 富士宮やきそば」を食べてレビューします。ご当地料理としても、B級グルメとしてもおなじみの、富士宮やきそばを再現したカップ麺です。 東洋水産「富士宮やきそば」 B-1グランプリ第1回と第2回の覇者 富士宮やきそばは、静岡県富士宮市のご当地料理で、富士宮で長く愛されてきた焼そばです。町おこしを目的に2000年に「富士宮やきそば学会」が発足し、日本各地のイベントなどで富士宮やきそばをアピールし、注目を集めました。 (左)富士宮やきそば学会はB-1グランプリ2回連続グールドグランプリ(右)富士宮やきそばには特徴がある 富士宮やきそば学会は、B級グルメの祭典である「B-1グランプリ」の第1回(2006年)でグランプリを獲得。続けて第2回(2007年)で連覇を果たし、富士宮やきそばの知名度は揺るがないものになりました。 全国各地で開催される物産展などでは、富士宮やきそばの実演販売があると客入りがかなり増えるそうです。 東洋水産の発表によれば、このカップ麺は富士宮やきそば学会が公認している商品とのこと。また、商品のパッケージにも、富士宮やきそば学会のロゴが描かれています。 富士宮やきそばの特徴とは 富士宮やきそば学会のホームページによると、富士宮やきそばには12の特徴があり、今回の商品のパッケージには、そのうち4つの特徴が記されています。コシのある麺、肉カス、削り粉、コクのあるソースの4つで、選挙公約的に今回の商品で実現している特徴と思われます。 実際に富士宮やきそばをお店で食べると、上記4つの特徴は他の焼そばと大きな違いとして感じる部分なので、今回どのように再現されているのか楽しみです。 内容物を確認すると... 内容物は、液体ソース、かやく、特製削り粉 内容物は、液体ソース、かやく、特製削り粉。麺は太めで醤油が練り込まれているためか少し黒っぽいです。太めでいかにもコシが強そうで、富士宮やきそばの特徴をおさえている印象です。 特製削り粉の袋が入っており、濃いソースに強い魚介風味の組み合わせという富士宮やきそばの特徴を再現しています。この段階で先程の4つの特徴のうち2つを達成しているように見えました。 富士宮やきそば完成! 豚脂と甘みが特徴のソース ウスターソースをベースに、ラードや甘みを加えています。UFO焼そばのような酸味やスパイス感があるタイプではなく、まったりこってりタイプで後味が甘いです。ラードを加えることで、富士宮やきそばの特徴である肉かすの雰囲気を出しているとのこと。 肉かすとは、肉からラードを絞った後に残ったものを油で揚げた食品です。今回のソースで肉かすの雰囲気が出ているのかはちょっと微妙なところではありますが...。 ただ、ソースには豚の旨みがたっぷり含まれており、4つの特徴の1つである「コクのあるソース」というのは間違いありません。 削り粉 そして、別添袋に入っていた削り粉。削り節ではなく削り粉というのが大きな特徴で、麺と混ぜ合わせることで、ちょっと喉が詰まるような、口の水分を奪い取っていくような感じです。 そんなに多く入っているわけではないのですが、それでも魚介の味がしっかり強く感じられ、存在感抜群でした。 コシがある麺 太くてコシがある油揚げ麺 中太で少し縮れのついた油揚げ麺が使われています。角のたった角麺形状で主張が強く、富士宮やきそばの特徴であるコシのある麺を再現していました。ソースが濃い上に削り粉のパンチもあり、太めの麺ときちんとバランスが取れています。 厳密に言えば、富士宮やきそばの麺は、富士宮市にある4つの製麺メーカーのものを使うルールがあって、それ以外の麺で作ったものは富士宮やきそばとは認められないそうです。 町おこし、地域振興の理念の部分と思われます。今回はカップ麺なので特例というところでしょうか。麺量は大盛サイズで食べ応えもバッチリでした。 具は豚肉とキャベツ 豚肉とキャベツが多めに入っている 具として入っているのは、豚肉とキャベツです。どちらも多めに入っていて食べ応えがあります。 豚肉は油少なめで出枯らしたようなボソボソの肉感があり、ソースのラードの風味と合わせて、肉かすの雰囲気を出しています。ソース、具ともに単体では肉かすらしくないですが、合わせ技で再現できていました。 キャベツも本来なら富士宮の高原キャベツを使うという規定があるそうですが、今回は産地等の記載はありません。ただ、カット大きめで量もたくさん入っていて、こだわりを感じられるキャベツでした。 富士宮やきそばらしさを丁寧に再現した商品 パッケージに書かれていた富士宮やきそばの4つの特徴、コシのある麺、肉かす、削り粉、そしてコクのあるソースについて、合わせ技だった肉かす以外を丁寧に再現しているのが印象的でした。富士宮やきそばの再現性はかなり高いと言えるでしょう。 緊急事態宣言が延長されて外出自粛の状態が続きますが、今のところはカップ麺でご当地麺の研究をし、旅行ができるようになった際には、気に入ったカップ麺のお店に出かけてみるのも良いかもしれませんね。 筆者:オサーン カップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。 Twitter(@ossern)