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妙にクセになる「佐賀弁TikToker」話題 いったい何者?本人を直撃すると...

笹木 萌

笹木 萌

2019.08.03 08:00
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ショートムービー共有アプリ「TikTok(ティックトック)」。若者を中心に人気のSNSで、YouTubeとは毛色の違った動画が溢れている。

いま注目を集めているのがTikTokerの「じんせー」さん。人気の理由はダンスでも顔芸でもなく、巧みな「佐賀弁」だ。

字幕必須の佐賀弁(画像はじんせーさんのTikTokより)
字幕必須の佐賀弁(画像はじんせーさんのTikTokより)

動画では「佐賀の高校生のチャリがカラフル」といった佐賀あるあるなどを次々と披露。時間制限がある中で、

「うわ!がい(とても)カラフルかやんこのチャリの色」
「わっかときは遊ばんちゃー仕事ばちゃんとせんばー(若い時は遊ばないで仕事をちゃんとしなさい)」

などとコテコテの佐賀弁でペラペラと語っていく。

こうした動画のコメント欄には、

「字幕見ないと何言ってんのかわかんねww」
「え、ばりばり佐賀弁の人初めて見た 嬉しいね 佐賀県民からすると」
「同じ佐賀県民なんで親近感が湧きますwwそして爆笑しながら何回もリピート」

といった声が寄せられ、好評のようだ。

佐賀県民からは共感され、他県民は虜にしてしまうじんせーさんの佐賀弁。動画はツイッターでもシェアされ、「なんかどハマりしたんだけど」「佐賀弁がクセになる」と拡散されつつある。

これまでの撮影場所は牛舎が多く、背景に牛がいるというシュールな構図。どうしてこの独特なスタイルになったのか。Jタウンネットは2019年7月29日、じんせーさん本人に電話で取材した。

「標準語がしゃべれんとですと」

じんせーこと井上仁成さんは、佐賀県で畜産の仕事をしている。年齢は24歳と意外と若い。TikTokのほかに、剣道に特化したYouTubeチャンネル「井上鮮魚店」を肘肩というカメラマン兼マネージャーとともに運営している。

TikTokの配信を始めたのは昨年8月ごろで、本格的に配信するようになったのは今年から。現在は週1で投稿しているという。最初は遊び半分の軽い気持ちで出していたというが、今ではフォロワーは4万人を超える。人気TikTokerの1人と言ってもいいだろう。

そもそも、なぜ佐賀弁のトークをTikTokに投稿しようと思ったのだろう。

「おい(俺)が東京に出張した時に、伝わらんやったりしたですもんね。標準語がおいたちしゃべれんとですと。それで、みんなに佐賀弁知ってもらいたいなーって思って」

じんせーさんによれば九州の方言、特に佐賀は馬鹿にされやすいという。

そんなことはないと思う筆者だったが、どうやらちゃんとした根拠がある模様。テレビでも放送されている福岡ソフトバンクホークスの応援ムービーで、九州からのエールとして福岡、長崎、大分、宮崎、熊本、鹿児島のファンの声が集められているのに対し、佐賀だけがないというのだ。

これはRKB毎日放送の公式サイトで確認できるが、たしかにない。15秒、30秒に短縮されたバージョンを見ても、佐賀だけがない。

なぜ...(画像はRKB毎日放送の公式サイトより)
なぜ...(画像はRKB毎日放送の公式サイトより)

サイトの下の方には「都合が合わず、出演にご承諾頂いたのに取材できなかったファンの方、申し訳ありません」とあるので、ただ時間がなかった可能性も考えられるが、なぜ佐賀だけがないのかは分からない。

こうした例を挙げつつ、佐賀の魅力を発信し続けている理由を語るじんせーさん。以前から「最近の若い子はあまり方言を使わないなぁ」とも感じており、このまま行くと佐賀弁は無くなってしまうと危惧していたという。

そのため、若者に人気のTikTokを通じて佐賀弁を知ってもらいたいという思いもあるそうだ。

ユーザーの中にはじんせーさんのTikTokを見て、佐賀に来ると言っている人もいるとのこと。実際に会う予定もあるという。

「俺の動画を見てくれて、佐賀っていいとこやんって思ってくれる人が少しでもおっけんが、それはやっぱ嬉しかことですよね」

とはいえ知名度はまだまだ。「ジョイフル(編注・九州で有名なファミレス)に行っても声をかけられなかった」と悲しむ一方、遠方の友人から連絡をもらうなど、名が知れてきたことを少しだけ実感しているという。

今後の目標は、チャンネル登録者数100万人を超える佐賀のYouTuber「釣りよかでしょう。」に並ぶTikTokerになることだといい、

「佐賀の二大巨頭と呼ばれるようにしたいです」

と話している。

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