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あなたのお宅に「ジョニー」、来てませんか? 変わった愛称でアイツを呼ぶ地域があった

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.07.05 06:00
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2地域にまたがり共通する「ジョニー」

ジョニーの存在を知ったのは、近年岐阜県多治見市で「クロバネキノコバエ」というコバエの一種が大量発生している、との2018年6月29日付の岐阜新聞の報道について調べていたときだ。

もともとは静岡で大量発生していた種が多治見にも出現し、なんと福岡にまで進出しているとのこと。気になって静岡のクロバネキノコバエ情報を見ていると、

「ジョニーの季節がやってきました」
「ジョニー、気持ち悪いですよね」

といった謎の記述が、個人のブログなどで散見されたのだ。ハエのことを調べているのに、急に出現する外国人男性(のような呼び名)。

薄々お気づきだろうが、どうもクロバネキノコバエのことをジョニーと呼んでいるらしい。さらに調べてみると、静岡でも地域性のある呼び名のようで、藤枝市(あるいはさらに限定的なエリアで)在住者のみがジョニーと呼んでいるようだ。

この呼び名を疑問に感じている人も少なからずいるようで、「ヤフー知恵袋」などでも、「なぜ藤枝市ではクロバネキノコバエをジョニーと呼ぶのか」という趣旨の質問が出ている。ちなみに、知恵袋上ではその理由に言及した回答はない。

ジョニーっぽさはあまり感じないが(画像は岐阜や静岡で確認されているのとは別種のクロバネキノコバエ, gailhampshireさん撮影, Wikimedia Commonsより)
ジョニーっぽさはあまり感じないが(画像は岐阜や静岡で確認されているのとは別種のクロバネキノコバエ, gailhampshireさん撮影, Wikimedia Commonsより)

全世界のジョニーさんを困惑させるであろうこの呼び名だが、さらに調査してみると、なぜか茨城県つくば市周辺でも使われていることがわかった。藤枝市と同様、つくば市在住者と思われるブログなどで、「ジョニーが発生しました」と書かれていたのだ。

静岡と茨城、特別な接点があるようにも思えないが、なぜかジョニーつながりが生まれてしまった。ただし、藤枝市との違いもある。つくば市ではクロバネキノコバエではなく、芝生などを食い荒らしてしまう害虫の総称、「芝虫」をジョニーと呼んでいる。同じ虫の呼び名ではあるが、種は異なる。

実は小さい虫のことをジョニーと呼ぶのが一般的な習慣なのかとも考えたが、記者のこれまでの人生で、虫をジョニーと呼んでいた人を見たことはない。というか、本当に藤枝市やつくば市ではそう呼ばれているのだろうか? めちゃくちゃニッチな現象なのでは。

研究者や専門家に「ジョニーって呼びますか?」と聞いても解決は難しいだろう。そこで、Jタウンネット編集部は、両市の市役所に直接確認することにした。

最初に取材をしたのはつくば市農業政策課。同市では芝生の生産が盛んで、芝生の害虫である芝虫が発生することはあるようだ。担当者は、「芝虫と称される虫の発生状況などは市では把握していない」としつつ、こう話す。

「確かに、市内の一部地域で芝虫を『ジョニー』と呼ぶことがあるようです。何か意味のある言葉や、地域独特の名称ではなく、よく見かける虫につけた愛称のようなものだと思われます。知らない方が聞くと不思議に感じるかもしれませんね」

少なくともジョニーと呼ばれていることは、間違いないようだ。では、藤枝市ではどうだろう。同市の生活環境課に話を聞くと、やはりクロバネキノコバエの詳細な情報やデータなどはないという。ただ、担当者の個人的な記憶として、次のように答えてくれた。

「大量発生だったかは記憶にないのですが、中学生のころ学校で、なぜかクロバネキノコバエが『ジョニー』と呼ばれていました。理由や由来はまったくわからないのですが」

やはり呼ばれていた。そして、こちらも理由は不明だ。

完全に記者の推測だが、もともとどちらかでよく見かける小さい虫をジョニーと呼んでいて、その地域から引っ越しなどで転居した人が、転居先でもよく見かける虫をジョニーと呼ぶようになった――、といったところだろうか。

だとすると、案外幅広い(しかし限られた)地域でジョニーと呼ばれている可能性も少なくない。そこで、全国へのジョニー伝播状況を調べるべく、調査を行ってみたい。クロバネキノコバエと芝虫に限定してしまうと狭くなってしまいそうなので、大量発生していたり、よく見かける虫をジョニーと呼んでいるか、という質問としよう。

果たしてジョニーはどこまで進出しているのだろうか。ご存知の方は、ぜひ編集部まで情報を頂きたい。

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