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「空き家」が増えると、何が起こるのか

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.06.11 11:00
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常に居住されておらず、放置状態となっている建築物、空き家。

宮城県出身の筆者(20代)の実家近くにも、一戸建ての空き家がある。10数年ほど前には住民を見かけていたが、以降見なくなり、現在も人の気配は感じられない。

家の門扉は傾き、電気がついておらず、薄暗い室内のカーテンはだらんと垂れ下がっている。家全体が朽ち果てたようだ。夜にその家の前を通ろうとすると、薄気味悪く感じる時もある。

そんな空き家は、全国でどれくらいあるのか、また、そもそもなぜ家を放置してしまうのか。Jタウンネット編集部は国土交通省に聞いてみた。

「使えるものは使い、使えない物は除去する」

画像はイメージ
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国土交通省が公表している「空き家の現状と課題」によると、2013年時点で全国の総住宅数が約6063万戸なのに対し、空き家は約820万戸(総務省「2013年住宅・土地統計調査」より)。住宅別では、共同住宅が470万戸、一戸建てが300万戸、長屋建てが45万戸となる。

また、野村総合研究所(NRI)が17年6月に発表している「2017年度版 2030年の住宅市場」によると、2033年の空き家は2166万戸(NRIでは、総住宅数は7126万戸と予測)にまで増加すると見込まれている。

空き家が生じる理由について、国交省住宅局住宅総合整備課の担当者は「一般的には、相続の時に発生しやすくなります。親が亡くなっても、成人して家を出て別のところに暮らす子供が、親の住んでいた家に戻らず、空き家となってしまうケースが多いです」と説明。また、一戸建ての場合、数百万円という解体費用の高さも要因だという。

空き家があると、防犯、景観の悪化といった問題が生じ、場合によっては隣人に被害をもたらすこともあるという。

「管理不備だと、犯罪の温床となったり、虫や動物が発生し、衛生的に悪影響をもたらします。また、木などの植物が生えていた場合、隣の家に伸びきった木や草が敷地内に入って来て役所の方に『なんとかしてほしい』といった要望も寄せられていると聞いています」(同担当者)

空き家問題を解決する対策として、「基本的には建て替え、もしくは除却が望ましいのではないかと考えております」としている。グループホーム、シェアハウスといった住居目的のほか、地域住民の交流、物販目的として建て替える活用法などがあるという。また、15年5月に施行された「空き家等対策の推進に関する特別措置法」により、適切な管理が行われておらず、衛生などで地域住民に影響をもたらしている場合、自治体の判断などで強制的に「安全措置」を行っている。「安全措置」の内容は、庭木の伐採などケースバイケースだというが、現在までに行われたのは60件だということから、法律に基づいた措置はあまりとられていないのが現状だ。

担当者は、「住み替えても他の所で空き家になってしまうので、使えるものは使う、使えないものは除去する、というのが今後望ましいかと思います」とみている。

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