「クールジャパン」はサブカルだけ......じゃない！　地方の魅力を海外へ

経済産業省による補助事業「BrandLand JAPAN」の運営事務局は、2018年2月27日、浅草橋ヒューリックホール（東京都台東区）で中小企業12事業者のプロジェクトの成果報告会などをするイベント「JAPANブランド海外マーケティングセミナー　『地域の潜在力に、世界の競争力を。』」を行った。

この事業は経産省の「ローカルクールジャパン政策」の一環に行われているもの。一般に「クールジャパン」といえばアニメやマンガといったサブカルチャーが思い浮かぶ人も多いだろうが、地方に眠る、日本ならではの商材やサービスもまた「クールジャパン」の1つでもある。

和コスメの「まかないこすめ」、イギリス・ロンドンで欠品になるほどの人気に

「BrandLand JAPAN」では、地域経済の活性化をめざしており、海外需要の取り込みを目指して日本の技術力を生かした商材などを販売する中小企業へ費用補助やアドバイザーの派遣、販路のネットワーク構築といった支援活動を行う。

27日のイベントでは、全国60件のプロジェクトから採択された12事業者のプロジェクトについての成果報告や、世界から見る日本のモノづくりなどをテーマとした有識者によるセッションが行われた。

成果報告の中には、たとえば石川県金沢市発祥の化粧品「まかないこすめ」の海外販路の開拓や、山形県の出羽三山をめぐる「山伏修行プログラム：Yamabushido 」の提供、清風庵（岡山市）による「清水白桃ゼリー」のタイへの展開、奈良の蚊帳（かや）製品を欧州へ販売する井上企画・幡（奈良市）による取り組みなど、さまざまな商材・サービスに関する成果報告が行われた。

そのうち、「まかないこすめ」は、17年11月からパリの「ISETAN MITSUKOSHI Paris」に出品。好評で18年1月中旬まで延長展開したり、イギリス・ロンドンでも欠品になるなど堅調な売れ行きだとしている。

ほかにも、「清水白桃ゼリー」はタイでのポップアップ・ストアの展開を2月に実施しているなど、こうした地方の取り組みは、着実に成果を残しつつあることが分かる。

アニメ・漫画などのサブカルチャーに続いて、地方のモノづくりの力などが世界に「クールジャパン」のインパクトを与え、地方の活性化につながっていくのだろうか、注目だ。